不動産の二重譲渡と転々譲渡Aは、先代から承継した甲地を所有していた。甲地は、遊休地であった。2003年6月6日、不動産販売・仲介業を営むBがAのもとを訪れ、甲地の買取を持ちかけ、同年7月7日、甲地を1200万円で買い取 る旨の契約書を交わした。そして同日、代金の内金800万円がBからAに支払われるとともに、同日付 けで、甲地につき、AからBへの売買を原因とする所有権移転登記がされ、Bへの引渡しもされた。 残代金は、同年8月20日に支払われるものと約定された。 しかし、8月20日になっても残代金の支払いがされず、その後も支払いがされなかったことから、Aは 、同年10月10日、一週間の期限を切って支払いを催促するとともに、もし同月17日までに支払いがさ れなければ契約を解除するとの一文をいれた通知書を、内容証明郵便でBに郵送した。この郵便は、 同月11日に、Bのもとに配達された。しかし、17日までに支払いがされなかったため、AはBに対し 、10月20日に、上記の売買契約を解除する旨の通知を、内容証明郵便でBに郵送し、この郵便は、同 月21日にBのもとに配達された。 そのうえでAは、その子の一人であり各種工事施工・建設業者であるXから忠告を受け、Xに今の内 に財産の一部を移しておこうと考え、甲地について、同年11月11日に、Xとともに贈与契約書を作成 し、両者が署名・押印した。 ところで、甲地には、同年8月8日付けで、同日の売買を原因とするBからYへの所有権移転登記がさ れている。Yは、Xの同業者で、日ごろからXと反目しあっており、自分の事業がうまくいかないの はXが主な発注者側の工事関係者らに働きかけて仕事の妨害をし続けているからだ邪推していた。Y は、Aが甲地を手放したという話を聞きつけ、計算高いXが将来これを買い戻すのは間違いないと推 測し、これを阻止することでXを困らせてやろうと考えて、自分が甲地を使用するつもりも無いのに 、2000万円で甲地をBから買い取ったようである。 現在は2004年2月2日である。 ジャンル別一覧
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