キラ☆キラ

電車の中。
隣に座ったおじさんが、一生懸命携帯を打ってる。
私は眠くてうとうと～。
危ない、危ない。
隣のおじさんの肩にもたれかかる寸前で体制を立て直す。
そのとき、見るともなしに、おじさんの携帯の画面が見えちゃった！

他人のプライバシーをのぞく趣味はないですよー。
でも、大きな文字だったの（笑）
だから、読もうと思って読んだわけじゃなくて、
目に入ってきたの。
画面の文字。

おじさんは私に見られたことに気付いてない。
一文字、一文字、よ～く考えながら打っている。
気になる文字。
「サイト」「メール待ってます」「お金がかからない」
(?_?)エ?　(?_?)エ?　(?_?)エ?

もしかして・・・おじさん・・・
よく言うところの出会い系の掲示板に書き込んでたりする？

隣に座っているからおじさんの顔をじーっと
のぞき込むわけにはいかない。
でも、気になる（笑）
どんな顔の人が、どんな顔で書き込んでるんだろう？

私から見えるのは、文字を打ち込む指先。
「私の名前は」と打ってから
またしばらく悩んでた。
いったんメールを保存して、また、再開。
おじさん、なんて呼んでもらおうか考えてたんだね。

うとうと～
私はまた電車の揺れに身を任せ、うとうと～。
はっ！と目を覚ますと、おじさんまだ携帯をしっかり握りしめてる。
誰かから返信があったのかな？

「返事がくるとは思わなかった」と打ってる。
ごめんね！おじさん。
おじさん私のほうに向けて打つから画面見えちゃうよ(^^ゞ

こんなふうに、一文字、一文字
大事に考えて打ってくれるメールを受け取る人に
おじさんの気持ちが伝わるといいな、
そう思いながら電車を降りた。
降りるとき、ちょっとだけ顔を見る。
頭の毛はちょっと薄くって、
顔はどこにでもいそうなサラリーマンタイプ。
清潔そうな感じの人だった。
こんな普通の人が出会いを求めてるんだ～と
ちょっと一安心だったりして。

私も、彼も、他の人から見れば
普通のおじさん、おばさんだろうから
中年の恋も悪くないと声を大にして言いたい。
うん、絶対いいよ♪