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東京なな猫通信

9年間30cmの隙間から外を見ていた犬

■2005-09-05■

一人では出来ないことも
たくさんの人の気持ちと応援の力で
出来ることがある。
それを教えてくれた、つい最近実際に起きた救出のドラマです。
なな猫がなにを書くより真実を物語る、
以下の、現場を何年もかけてずっと見つづけ、
この犬とともに苦しんできたIさんの言葉から読んでください。

  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

もう5年近くも前から,、この犬のこの姿を見ています。
そばを通るだけで悪臭のするその場所は、
夏場は西日があたって、温度がかなり高くなると思われ
風通しも悪く、暑さはひどいものだと想像できます。
犬舎の出入り口は北側に面し、少し奥まっていて風が入ってくるとすれば
冬の北風くらいでしょう。冬は冷たい北風が入り、
冷たいコンクリートの床の上に寝るしかありません。

  その場所は信じられない状態だった
              【どこにいるか、わかりますか】

その出入り口から見える、北側の風景は道路と
道路の向こうのコンクリートの壁、
犬は、西側の30cmほどの隙間から、必死で外の世界を眺めます。
この1畳ほどの部屋で、何年間も、その犬は寝て、
食事をし、排泄をし、
そして一日中を 一匹で過ごします。
どんなに苦しいでしょうか。

   犬がどこにいるのかさえ、知る人にしかわからない
              【ぼく、ここにいるよ】


この5年の間に、どれくらい外に出してもらうことがあったのか、
これまで一度も散歩姿を見たことはありません。
いつそこを通っても、一度もお散歩中で、その部屋が空になったのを
見たことはありません。
飼い主がその犬に話しかけていたり、遊んでいてあげているのを
一度も見たことがありません。

     暗闇のなかで、犬はひとりぼっちでずっと生きていた              【ずっとずっと、ここで座ってる】

いつ見ても、遊べるおもちゃやかじる骨も、眠る時の布も、何もありません。
ただ、コンクリートと鉄の壁と床、錆びた鉄格子だけです。
大体水もからっぽで、床には糞がこびりついて
犬は、その糞尿を避けながら、寝るスペースをとります。

     
近くまで行くと、いつもこの犬は、尾をはちきれんばかりに振って
必死でわずかな隙間から顔を出そうと、頭も横にします。
このスペースの中で歩いたり、走ったり、ジャンプしたり、
体を上に伸ばしたり、そんな動物として当然の動きも制限されています。
気持ちよい草の上や、
心地よいひなたぼっこも経験したことがあるのでしょうか。
いつ見ても、一匹でただそこにいます。

この写真を撮った時、
糞尿の臭いのせいか、消臭剤が2個ぶら下げられていました。
糞尿の臭いと人工的な芳香剤の臭いがまざります。

   30センチの隙間から、一生懸命顔を出す
               【うれしい! 会いにきてくれたの】


犬だから平気なのでしょうか?
犬は人間とは違って、一生涯閉じ込められ運動もできず、
ふれあいもなく、生かされ続けても平気だと、誰が証明したのでしょう。

怖い、寂しい、怒り、嬉しい、楽しい、愛する、
人間と同じようなそんな感情をもっています。
心臓、胃腸、血管、筋肉、骨、神経、
哺乳類として人間とそんなに違いはありません。
暑さ、寒さ、痛さ、そして心地よさを
人間と同じように感じることができます。
犬はロボットでも植物でもなく、
血が流れる生き物なのです。

ただ、このようなひどい扱いをされても
訴える言葉を持たない、
また主人を恨んだりしない、
それだけが、犬と人間との大きな違いなのかもしれません。


この犬は、人や他の犬と一緒にいる歓びを
どれだけ味わってこれたのでしょう。
これでこの犬は、感情ある命ある生き物として
生きていると言えるのでしょうか。

あと何年、ここでこうして生きていくのでしょうか。
この中で老いていくのでしょうか。
やっと外に出られた日は、
既に年老いて、病気の身体を引きずっているのでしょうか。
それとも放棄されて
外を味わうことなく、そのままガス室へ送られるのでしょうか。
この飼い主は
一体何のためにこの犬を飼っているのでしょうか。
理解に苦しみます。

        西日の当たるその顔に、表情はない。でも、目が泣いている。
             【たすけて。。。たすけて!】



いつか、ここから出られて、
草の上を思いっきり走ることができますように。
いつか、愛情をいっぱい受けて
人や他の動物と一緒にいることの喜びを
思いっきり味わうことができますように。

排泄物のないやわらかな寝床で
安心してやすむことができますように。
ひどい暑さや冷たい寒さに、もうこれ以上と苦しめられませんように。
人になでられ、抱かれる喜びを味わえますように。


人間がこの扉をあけてくれない限り、
この犬は、自分でここを出ることは決してできません。
この扉を開けることは、いとも簡単なこと、
ほんの1秒でできること。
ただ、人間の無知、無慈悲、そして傲慢、
そういうものによって、この扉は閉じられているのです。

      ---以上、「ゴールデンが好きっ!!」より転載

★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★


この情報を知った多くの人が
ネットを通じて応援し合い、
ついに、この犬の飼い主さんにボランティアの人たちが交渉に行って
話し合い、譲渡を決めて
この子を外に出してあげる日がきました!!

2005年8月9日。ついこの前のことです。
それがこの子の、JOYくんの第2の誕生日となりました!

***★******★******★*******★******

以下、保護された方が作られた、救出時のビデオ操作手順を転載しますので
どうぞ、できれば動画もご覧下さい。

檻から出される、うれしいうれしい瞬間!
出て、走って走って走って、転げ回って! 
その、涙の出る一瞬を追体験することができます。
JOYくんと一緒に、喜んで、泣きましょう。
嬉し涙、ご一緒に流しましょう。


Googleビデオビューアをダウンロードして下さい。
ビューアーをダウンロードするサイト  リンクをします

次に、
"Download Video Viewer"
のボタンをクリックしてください。
ダウンロード後、PCにインストールして下さい。
インストール後、こちらのサイトを開いてください。
  リンクをします

左上の
(Play whole video)のボタンが再生ボタンです


******★*******★******★*******★

檻の監獄から救出された直後のJOY!

 初めて外に出た!その瞬間。。
              【そとはきもちいいね】

     ---ダイアさんとIさん、JOYくんを救出された方たちです。


9年ぶりに外に出たJOYくん
なにもかもが珍しく、9歳にして赤ちゃん。
ガラスというものがぶつかるものであることを知り
鼻を地面につけて、匂って匂って、どうしてもやめなかったそうです。
地面も、草も、空気も、風の匂いも、葉っぱの味もなにもかも
初めて感じる、自分が生きていることを教える感覚。

鼻を地面につけて 
              【なに、このにおい】

産まれて初めて、ものの匂いを嗅ぐ
              【いろんなにおいがしてる】

たくさんの病気を抱えていたJOYくんのために
JOYくん基金が作られ、全国から治療費のカンパが集まりました。
そして、ある程度治療された後、
この8月31日、
JOYは9年間檻の中で過ごした沖縄を離れ
里親を申し出てくれた方のもとに旅立ちました。

   いまは輝いている顔
              【げんきになったよ】

   幸せになれるんだね
              【ママのところにいくんだ】

最初の、隙間から外を見ていた無表情な顔と
救出されてからの眼、
どんなに違うか。
場所は沖縄。
なまなかな暑さではなかったでしょう。
台風だって、いつも通過していたかも。
その間、この子はずっと、
暗闇のなかでたったひとりぼっちだった。
ひとりぼっちで、明けても暮れても9年間。。
そのことを思うと涙が出ます。


わたしが普通に生活し
太陽や風を感じたり、暑ければエアコンで涼んだり
寒かったらストーブにあたっていた
テレビを見たり人と話して笑ったりしていた
その同じ時間に
この子は、あの狭く臭い空間の中で
ひとりぼっちで生きていた。
365日の朝と晩が9回も・・・。

誰も恨まず、誰にも訴えず
夜の6時くらいから朝まで
真っ暗闇の中を
ただ生きていました。
たったひとりで。黙って、闇を見つめ、糞尿の臭いを嗅ぎながら。。
でも、もう違う。
JOYは、もうひとりじゃないんです。


   助けてくれてありがとう。。
               【ママだいすき! ありがとう・・・】


檻の監獄に居た9年間、一度も吠え声のなかったJOY、
いま、預かってくれた人がちょっといなくなると
ウオンウオン泣くそうです。
「もう、独りにしないで!」と言ってるのかな。

なな猫にもたくさんのことを教えてくれた
JOYくんと、救出された方々、ありがとう。
こういう犬たちは全国に数え切れないかもしれない。
すべてを助けることは難しい。
そこには、「飼い主」という壁があります。
ある意味、野良動物を取り巻くものより手強い壁。
でも、その壁に体当たりして、壁を崩した人たちがここにいます。
これが氷山の一角に過ぎないとしても
出来ることをした人たちの気持ち、忘れないでいたい。
何度も、思い出していたいのです。


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