そらのごきげん（想天流転)

父親の友人　なんて
わけ隔てて　思うことなく

ある意味　父親のような
優しい人

いつも柔和な笑顔で
何かあると心配してくれて
顔を見るたび

「おい　ユキよい
だいじょうぶか」
そう声をかけてくれた
優しい人

絵本で見た
サンタクロースのような
おじさんとおじいさんの間のようなひとは
クリスマスの日に
天に召された

年末や法事の親戚あしらいで
きっと大変だろうと
四十九日があけた今日
お参りに

たくさんの花とお位牌
本当に亡くなったんだと
情報と現実がつながる

それでもなお
仏前の写真はいつもの柔和な笑顔で

すっと脳裏に　いつもの
「おい　ユキよい
だいじょうぶか」

あの声が聞こえたような気がした

帰り道　車の中で
「なんかさー
サンタみたいな人だったよね」
そう言ったら　涙が出た

さようなら
サンタみたいな　
やさしいおじさん

今までありがとうございました
お世話になりました

飛び立つ飛行機を見上げながら
そっと
心の中で
一礼