そらのごきげん(想天流転)

2007/03/10(土)20:57

雨のドライブ

天のご機嫌(350)

私の車を走らせて 雨のドライブ 外を眺める あなたの眼鏡に 窓の 雨のしずくが映る あまり車が通らない 郊外の 緑のトンネル 後続車がいないのを確かめて 車を停める 「どうしたの?」 そう言いたげに 私を見る 私は あなたの顔を覗き込み 眼鏡に映った 雨粒を 拭き取るしぐさ 「窓の雨が映ってるだけだよ」 「知ってるよ」 「どうして拭こうとするの?」 「近づいて 触れたかっただけ」 あなたは眼鏡に触れた私の手を そっと取って 頬に当てて 「しょうがないなぁ」 そう言いたげに くすっと笑う そっと お互い近づいて 滴る 緑の雨の中 何度もKissをする 愛してる 愛してるよ 言葉は 吐息になる 眼鏡に前髪が当るのを気にする私に 気がついたのか ちょっと離れて 眼鏡を外す 二人を隔てる 物がひとつ消えた その分激しくなる 外の雨音 ルーフの上で 雨音がタップダンス 今 この幸せを知っているのは あなたと 私 私たちを誰からも隠してしまう 激しい雨のブラインド 二人を乗せた 私の車 そして あなたの眼を通さない 眼鏡が 黙って見ているだけ  

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