そらのごきげん(想天流転)

2007/09/11(火)05:44

手紙

子供(6)

疲れて帰って来る 午後10時 明かりが消えて 眠っている家の中 家人を起こさないように そっとレンジのスイッチをいれ 暖め完了のブザー 鳴る1秒前でドアを開ける 飲み込むだけのような食事 手早く済ませて パソコンの前に座る キーボードの上に 一通の手紙 たどたどしい文字で 「ままへ」 中身を取り出して見る 「ままへ いつもおしごとがんばってるね あしたもかいしゃがんばってね まりかより」 と が鏡文字じゃん とか いつも「な」はカタカナなんだよね とか ハイヒールなんてはいて仕事へは行かんぞ なんて ひとしきり照れ隠しで 悪態をついて見る いつのまに手紙なんか 書くようになったんだろう 絵もうまくなったな いつのまに句読点まで 人をねぎらう気持ちも知ったんだ 自分の気持ちを伝える術を 活かせる様になったんだな 物凄い寝相で 無邪気に眠る この世界6年目の人を見ながら 成長を嬉しく いとおしく思い このひとと 巡り会った奇跡に感謝して 少し涙ぐむ 手紙が嬉しかったから きみがわかるように ひらがなで返事を書いておこう 「だいすきなきみへ いつもげんきいっぱいがんばってるね きみがげんきだから ままはいつもきみからげんきをもらいます きみは ままのげんきのがそりんすたんどです どんなにつかれていても きみのげんきとえがおがあれば げんきまんたんになれるよ いつもげんきでいてくれてありがとう だれよりもだいじなきみへ ままより」 ちいさな 猫の絵がついた封筒に 手紙をいれて そっと枕元においておこう 読んだら お返事くれるかな がんばりやさんの 大好きな君

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