072312 ランダム
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七夜式のやりたい放題なブログ

第十一話 自動弓

―――スカリエッティの研究室


「どうだい?アルトは」


「バスターソードを破壊された模様です」


「折られた?誰にだい?」


「『剣帝』レオンハルトに」


「ふむ・・・あのレオンハルトか・・・多分管理局の者だろう。凄腕だね」


「聖杯戦争は、昨夜バーサーカーがキャスターをリタイアさせ、ライダーの『偽臣の書』が燃え尽き、本来のマスターへ」


「ふむ。面白くなってきたね」


            第十一話 自動弓クロスボウ


―――『不死鳥の像』前


アルトは呆然と二つに折れたバスターソードを見つめていた。


「・・・すまない。お前の剣を折ってしまったな」


『剣帝』レオンハルトがアルトに詫びた。


「・・・別に大丈夫だ。親の形見だっただけだ。それに、今の俺に接近戦は合わないんだ。」


「そうなのか?充分使えてたと思うがな」


錬が来た。レオンハルトは錬を見た。


「・・・貴方か。久しぶりだな」


「・・・知り合いか?」


アルトが錬に尋ねた。


「ああ、ちょっとな。同じ管理局の人間だぞ」


「お前、管理局員だったのか!?」


「ああ。周りの奴は『剣帝』か『レーヴェ』と呼ぶ」


「・・・」


アルトは愕然とした。


こんなに身近に管理局員がいるとは。


「おいアルト。お前の用事は済んだろ。新しい武器を調達させてやるから来い」


「新しい・・・武器、だと?」


「そうだ。お前は力が欲しいと言った。そしてお前に今力は無い。だから、調達させてやると言っている」


「・・・助かるが、ちょっと待ってくれ。呼ぶ奴が居る」


「呼ぶ奴?」


「ああ。ちょっとした事で今家に居るんだ」


そう言ってアルトは目を閉じた。


(セイバー、聞こえてるか?)


念話でセイバーに話しかける。


(アルトですか?はい、聞こえています)


(お前に転移魔法はかけられるのか?)


(はい。攻撃魔法は殆ど弾きますが、補助魔法は弾きません。私固有の能力です)


(じゃあ今呼んでも平気か?)


(はい、幸い服は昨日セシリアに貰ったので)


(解った。すぐ呼ぶ)


アルトは再び目を開けた。


「・・・来い、セイバー」


静かに呟く。アルトの前に魔法陣が出てきて、セイバーが姿を現した。


「・・・ほう。そうだったのか」


錬が呟く。


「何がだ、錬」


アルトが訊いたが、錬は答えなかった。


「初めまして。セイバーと申します。」


「遠坂錬だ。宜しく。さて、役者も揃ったし、行くぞ」


そうして、アルトとセイバー、レオンハルトは錬の車に乗った


―――軍事施設『リベル=アーク』


「ここは・・・」


「管理局が作った巨大施設さ。中には孤児を保護する施設なんてのもある」


そんな事を話していると、錬が立ち止まった。


「さ、着いたぞ。ここで調達できる」


4人は中に入った。中には、幾つのも武器が並んでいた。錬はまっすぐ店のカウンターに向かった。


「おや、錬様にレーヴェ様。今日はどういった?」


カウンターに居た女性が尋ねた。


「いや、俺もレーヴェも用は無い。今回はコイツだ」


錬はアルトを指した。


「そこの方は?」


「今日から新しく管理局入りした『早乙女アルト』だ」


「あら、そうですか。では、こちらへ」


そう言って女性は錬たちを誘導した。


「おい錬、俺入局なんてしてないじゃないか」


「いいんだよ。後でするんだから」


「俺が?入局?いいのか?」


「ああ。お前には素質がある。それに、力が欲しいんだろ?」


「・・・ああ」


「こちらです」


女性に案内され中に入る。そこには、錬と同い年くらいの女性がいた。


「こんにちは錬。今日はそこの坊やの武器?」


「相変わらず鋭いな、キリカ。その通りだ」


「初めまして。私はキリカ・ラインフォルト。この工房の工房長よ。宜しくね」


「早乙女アルトだ。こっちはセイバー。宜しく」


セイバーも軽く会釈をした。キリカもそれに答える。


「で?用は早乙女君だけ?」


「ああ。レーヴェがアルトのデバイスを折っちまってな。新しいのが必要なんだ」


「そうなの。こっちへいらっしゃい」


エリカが奥へ行く。アルトが続いた。奥は、何かを本格的に作る工場の様なものになっている。


「デバイスの待機形態はどんな形がいい?」


「そうだな・・・ネックレスあたりかな。身につけ易いし」


「解ったわ。じゃあちょっと待ってて」


―――10分後


「こんな感じで良いかしら?」


「ああ、助かった」


銀色の鎖に繋がれた矢を模したネックレスだ。


「さて、後は性能実験ね」


「解った」


「でも気をつけて。それは古代ベルカ式とミッドチルダ式の複合型だから威力が爆発的に上がるの。近代ベルカとは比べ物にならないくらいよ」


「・・・解った。だが大丈夫だ。それに、管理局の高町なのは二等空尉やフェイト・T・ハラオウン執務官、八神はやて一等陸尉に負けてられないからな」


アルトは目を閉じた。


「・・・初めましてだな、相棒ドミニオン


アルトの手に自動弓クロスボウが握られる。


同時に、アルトの身体を鎧が包んだ。


色や形は前と殆ど変わらないが、金属鎧が大幅に減った。金属鎧があるのは脚のみになった。


「あら、自動弓クロスボウなんて古風なのね」


「昔はこっちが強かった。まあ、親戚の叔父さんに親父の形見を貰ったから使ってた。只それだけだ」


「まあいいわ。頑張ってね。応援してるわ」


アルトは顔を赤くしながら3人と一緒に店を出た。


                 To Be Continued...


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