072304 ランダム
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七夜式のやりたい放題なブログ

第十二話 試練

「何?本当かね三島君!?あの虫の正体が解ったと?」


ここはミッドチルダ内最大の国であり統合軍の本部がある『エレボニア』。


大統領であるハワード・グラスは、レオン三島からあの赤い虫の正体が掴めたと電話で聞き、驚愕していた。


『はい。今からそちらに迎えに行きますので、暫くお待ちください』


「解った。下で待っているよ」


そう言ってハワードは受話器を置いた。


―――エレボニア内軍事施設『ダルフィム』


「ふむ。計画は実行に近くなったな」


大統領補佐官レオン三島は呟いた。


「どうします?ここで決行ですか?」


「・・・そうだな。そうしよう。では、私は大統領を迎えに行ってくる」


そうして、レオンはダルフィムを後にした。


           第十二話 試練


―――軍事施設『リベル=アーク』内軍事司令塔『中枢塔アクシスピラー


「おい錬。ここは何処だ?」


「このリベル=アーク最大の軍事施設だ。起動次元エレベーターで本局との行き来も可能だ」


「あら錬中佐。今日は非番では?」


「ああ、ちょっと新人を連れてきた。試験がしたいから・・・そうだな、シードにでも頼むか」


「かしこまりました。今お呼びします」


数分後、錬と同い年の男性士官が来た。


「やあ錬。今日はどんな?」


「ああ、コイツの入隊試験をしたくてな」


「名前は?」


「早乙女アルトだ」


「私はマクシミリアン・シードだ。君は・・・あの2人にそっくりだ」


「あの2人?」


「君は、あのルイード君とマレーネ君の子だろう?」


「そうだけど・・・なんで判った?」


「目の色と性格はルイードにそっくりだ。」


たった数言で性格を見抜いたシードにアルトはたじろいだ。


「そうなのか・・・」


アルトはシードに頭を下げた。


「頼む。俺をテストしてくれ」


「また急だね・・・解った。場所は第一試験場。私は準備があるから、君は錬達と一緒に来てくれ」


そう言ってシードはその場を立ち去り、アルト達は第一試験場に向かった。


―――第一試験場


「ルールは簡単。10分間私の攻撃を躱し続けるか、一回でも私のバリアジャケットに攻撃を通すか。どちらか片方達成で合格だ」


「判った。せいぜい親父達に追いつく力が出せる様努力するさ」


「承知した。君が勝ったら、君の両親について話そう」


「・・・その話、本当だな?」


「男に二言は無い。さあ、勝負だ」


シードが剣を構える。


アルトは一度深呼吸をして、獲物を構えた。始めの合図は錬となっていた。


「試合・・・開始!」


シードが開始と同時に一気に距離を詰めて来た。速い。


「・・・だが!」


アルトは左へ跳んだ。さっきまでいた場所を剣が空振る。


「我が右手に有りし星の杯よ、天より授かりし輝きをもって我の盾となれ・・・グラールスフィア!」


アルトの身体を一瞬光が包んだ。


「くらいやがれっ!」


アルトがその場から消え、シードの後から矢を放った。


「何!?」


咄嗟にシードが矢を剣で弾く。


「終わりだっ!」


アルトがまた違う方向から矢を放つ。


「甘い!!」


シードの姿が掻き消えた。アルトの背後に現れる。


「喰らえ!!」


「させるか!!」


シードの剣をボウガンに仕込んだ刃で受け止める。弾いた勢いで距離を取り、シード目掛けて矢を放つ。


今度は1本じゃない。数十本の矢が、シードに向かって放たれた。


「・・・せい!!!」


シードは全ての矢をたった一本の剣で落とした。


気が付くと目の前にシードはいない。後ろを振り向くと、シードが剣を構えていた。


「これで終りだ!!」


今度こそ躱せない。誰もが思った。


アルト以外はそう思った。


「こんな所で終われるか!!」


何かが、シードの剣とアルトの間に塞がった。いや、覆っていた、と言うのが賢明だろう。



「・・・さっきのグラールスフィアか!!」


「今度こそっ!!」


アルトが至近距離で矢を放つ。もちろんシードは直撃だ。


「ぐあっ!!!」


シードの体が壁まで吹っ飛ぶ。


「勝者、早乙女アルト」


錬が静かに言った。シードが立ち上がる。


「いや、驚いた。さっきの『グラールスフィア』とは一体?」


「あれは効果範囲内の自分が『味方』だと思った奴を敵の攻撃から一度だけガードする技だ。比較的大技だから乱発は出来ないが」


「そうか・・・一本取られたね。私の負けだ。君は合格だ」


「有難う御座います」


「さて、部隊の方はどうする?」


錬がシードに尋ねた。


「S.M.Sでいいだろ。あそこなら俺もお前もレーヴェもいるし丁度良いだろう」


「S.M.S?あそこは新型装備のテスト機関だろ?」


「残念ながらそれは表面。裏は比較的ハードだ。どうする?ついてこれるか?」


「上等だ。どんなミッションでも請けてみせる」


アルトは、力強くシードを見た。


             To Be Continued...


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