第十五話 英雄と王―――アインツベルンの森「ほう。よいのか?仲間を逃がして」 黄金のアーチャーが尋ねた。 「『仲間だから』見逃したのだよ。今の宝具から、お前の正体の予想はつくさ。それを考えたら逃がさずには居られまい」 「ほう。王は女に逃げられ御立腹だ。楽には殺さんぞ」 「良いだろう。せいぜい食われない様気をつけるさ」 第十五話 英雄と王 ―――早乙女アルト邸 「で?教えてもらおうかしら。あの金ピカのサーヴァントについて」 居間に来たアルトとセシリアは、セイバーにあの黄金のサーヴァントの正体について尋ねた。 「はい。お話します。私は、前回の聖杯戦争にも参加していました。その時のアーチャーが、あの黄金のサーヴァントです」 「で?真名は?」 「それが、判らなかったのです」 セイバーは苦い顔で言った。 「判らない?宝具は使われなかったの?」 セシリアが驚いた顔で言った。 「いいえ、使われました。ですが、先程のように、無数だったので、判らなかったのです」 「何故?宝具は一人のサーヴァントにつき1個、多くて3個が限度よ。それを簡単に上回るなんて・・・」 「だが、あの中にはランスロットの『アロンダイト』とか、シグルスの『グラム』、あとゲイボルクもあったぞ」 アルトが口を挟む。 「よく見てたわねアルト。・・・でも、何故そんなに宝具じみた物があんなに・・・」 「なあ、もし、今みたいな3つの大陸に別れてない、大陸が1つになっていた時、そこを治めていた王様がいて、その王様が全ての宝を持っていたとしたら、どうなると思う?」 「・・・たしかに、それしかないわね。でも、そんな英雄居た?」 セシリアが首をかしげる。 「いるさ。この大陸が一つだったときの呼び名は『ウルク』。その時の王様といえば?」 「・・・まさか、ギルガメッシュ?」 セシリアがそんな事があっていいのか、という表情でアルトを見た。 「それしか考えられない。だが、そうなると相当手強いぞ」 「ですが、私の宝具は妖精が創った物です。ギルガメッシュは持っていないでしょう」 「ねえセイバー、貴女の宝具は何?」 アルトとセシリアがセイバーを見る。 「私の宝具は、『 「エクス、カリバー・・・って事は、カルバードの?」 ―――ここで大陸整理。 初代(大陸が1つだった時):ウルク 2代目(3つの国に別れた):リベール、エレボニア、カルバード 3代目(ここからは大陸名で無く勢力圏):エレボニア、メガロポリス、ユニオン ※ 『ミッドチルダ』は『星』であって国ではない。 「はい。私は、かつてのカルバードの王、リーズバイフェ・キュベレーです。」 「リーズバイフェ・キュベレー・・・」 それは、かつて戦乱だったカルバードを治めた英雄。 その英雄が、どうして早乙女アルトに?と二人は思っていた。 突然、警報が鳴った。 「・・・!?アルト?何よこれ!!」 「侵入者だ!!玄関以外から入ってきた奴がいたら鳴るんだ!!」 アルトは外へ出た。セシリアとセイバーもそれに続く。 家を囲む塀。その上に立っていたのは、 「英雄王、ギルガメッシュ・・・」 黄金の騎士だった。 「来てやったぞセイバー。 「だから言っているだろう。私は興味は無い」 「そうか。なら雑魚らしく」 ギルガメッシュが指を鳴らすと、無数の宝具が現れた。 「散れ」 To Be Continued... ジャンル別一覧
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