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七夜式のやりたい放題なブログ

第十八話 真実

―――スカリエッティ研究室


「聖杯戦争はアルトの聖杯葉買いで終結。セイバーはアルトの魔力で現存」


「そうか・・・これでようやく・・・」


「その事ですがドクター。聖痕が発動しギルガメッシュの宝具を取り込んでしまった為2年間延期となります」


スカリエッティは溜息をついた。


「はあ・・・本気は出すなと言っておいたんだが、あの英霊に言っても無駄か。レオンとグレイスに延期を伝えてくれ」


        第十八話 真実


―――2月1日(木)(ミッドでは1ヶ月は一律30日)、リベル=アーク


アルトはシードに呼ばれ、小さな部屋に来ていた。


「で?何なんだ?俺をこんな所に呼んで」


「いやなに。この前君に両親について話すという約束をしたからね。守ろうと思って」


「話してくれるのか。あの二人について」


「ああ。男に二言は無いと言ったろう?さあ、そこの椅子に座ってくれ」


―――アルトの両親ルイード・ストリンドヴァリ、マレーネ・ストリンドヴァリ。


2人の生まれはメガロポリスの小さな国『アルテリア法国』。


シードと2人は幼馴染だったらしい。


3人で武術の研鑽を積み、時空管理局に入った。


それからも3人はエースとして称えられ、1人1人に二つ名までついた。


「爆熱の重剣騎士」はルイード。


「絶対零度の射手」はマレーネ。


「不死身の策略家」はシードだった。


由来はそれぞれ。


ルイードは重剣を主に使い、火属性の魔法を剣に乗せる攻撃を。


マレーネはボウガンを主に、氷属性を主に使っていた。


シードは細身の剣を使い、緻密な策略を駆使して生き延びてきた。


そして新暦55年、ルイードとマレーネは謎の死を遂げた。


原因は不明。事故死が通説となっている。


だが、幾つもの死地を潜って来た2人にそんな事がある筈無いとシードも思っているらしい。


そしてアルトはこの言葉を聞いて絶句した。


「君がルイードとマレーネの子だったら、名前は『早乙女アルト』ではないんだ」


「な・・・んだ・・・って?早乙女アルトが、俺の名前じゃない・・・」


「ああ。2人が言っていた名前と違うんだ。聞きたいか?」


アルトは迷った。


真名を聞くべきか?


聞いたら後戻りできない。


答えは―――


「聞かせてくれ、俺の本当の名前を」


「・・・後戻りはできないぞ?」


シードの青い目がアルトを見据えた。


「構わない。俺は俺だ」


アルトはシードを見返した。


「そうか・・・判った。ミリアルド・ストリンドヴァリ。これが、君の真名だ」


「ミリアルド・ストリンドヴァリ・・・」


それが、自分の本当の名前。


「どうする?これからミリアルド・ストリンドヴァリとして生きるのか、早乙女アルトとして生きるのか」


「俺は、ルイード・ストリンドヴァリとマレーネ・ストリンドヴァリの息子だ。ならば当然ミリアルドを名乗る」


アルトは真っ直ぐにシードを見た後、肩をすくめて溜息をついた。


「はぁ。なんてな。実の所早乙女アルトも捨て難い。って事なんで、2月の終わりまで早乙女アルトで通すさ」


「そうか。戸籍の方は私が変えておこう」


「助かる。そういえば、俺の任務はいつに?」


シードは手を叩いた。


「おお。そうだったね。急だが明日、朝から任務だ。S.M.S.全員と、本局から高町なのは二等空尉、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官、八神はやて一等陸尉が同行すると聞いている」


「噂の3人娘か・・・」


「ああ。君より上手かもしれないぞ?」


シードは少し愉しげだ。


「ふざけるな。未だデータすら知らないんだ。この目で見ないとなんとも言えない」


「ふふ。君の実力を期待しているよ」


「まあ見てろ。すぐに終わらせるさ」


アルトは踵を返した。


「ああアルト。待ってくれ。帰りに工業区画ファクトリアへ向かってくれ。S.M.S.入隊祝いが貰えるぞ」


「りょーかいだ。祝いなんて久しぶりだな」


そう言ってアルトはリベル=アーク内の工業区画ファクトリアを目指した。


          To Be Continued...


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