072306 ランダム
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七夜式のやりたい放題なブログ

第二十五話 最終奥義

―――ダルフィム艦橋


「アリー・アル・サーシェス。今ついたぜ」


赤い髪の男がブリッジの艦長席にいたレオンに声をかけた。


「おお。君を待っていたんだ。来てくれ」


―――ダルフィムMS格納庫


MS:通称「モビルスーツ」。BJに取り付ける追加装甲で、軽い材質と裏腹に鋼鉄の強度を持つ。


「これが君の為に用意した機体だ」


オレンジ色のMSだった。


「ほう、こいつぁいいな。戦争のし甲斐があるってもんだぜ」


「それで、君に頼みたい事があるんだ」


           第二十五話 最終奥義


―――城砦都市群


「よぉ、待ってたぜ」


オレンジ色のMSに身を包んだ青い髪の青年が5人を見た。


後ろにも大量に、背中から赤い粒子を発する兵士が構えていた。


(GNドライヴだと?いや、粒子の色が違う。俺たちのは緑だ。じゃあ何だ?やっぱり科学の力だとか言うのか?)


「・・・俺がオレンジをやる。皆は後ろのMSを頼む」


オレンジとは、ミリアルドが青年を他の兵士と区別するため(他の兵士はグレー)に、勝手につけた名前だ。


「もたもたしてっと、殺られちまうぜ!!」


青年が肩から巨大な剣を取り出して駆けて来る。


「散開して、各個に応戦!!」


「COUNTERATTACK」推奨。


青年が真っ直ぐミリアルドに近づいてくる。4人は後ろの敵目掛けて飛んだ。


(直線的だな。避けるのは造作もない。だが・・・)


ミリアルドは迷った。よけて隙を作らせ、後ろから斬るか、正面から斬るか。


「はっ、迷ってっと死んじまうぞ!!」


(考えてられないか!!)


後ろに回る。


「狙ってたんだよ!!ファング!!」


青年の腰アーマーからファンネルの様な物が射出された。


「!?ファンネルと同じシステムか!!」


ファンネルを射出し、青年と距離をとる。


幸いあの『ファング』という武装は近接武器だ。


ファンネルなら中距離から撃てば破壊できる。


「考えたな。だがな!!」


青年が距離を詰めて来る。


「GNソード!!」


GNソードを展開させ、青年の巨大な剣に向かう。


「かかったf!!」


巨大な剣から赤い粒子が放出され、GNソードを溶かした。


「何!?・・・ちっ!!」


接近武器は溶かされてしまう。実体兵器は使えない。


「なら!!」


GNソードを折り畳み、右手で構え、ドミニオンを左手に構え、青年の周りにファンネルを展開する。


「全弾発射!!」


GN粒子を収束させたビームと、ドミニオンから放たれた無数の矢が青年を襲った。


「まだだ!!」


青年は腰からファングを打ち出し、矢を破壊しながら巨大な剣でGNビームを受け止めた。


「なっ・・・!!」


ミリアルドは愕然とした。どうしようもない。遠距離、近距離共に駄目。


そのとき、ミリアルドの意思とは別に、体が動き出した。


               ■


「00Gundam」推奨。


「何!?」


「私がやってやろう。貴様では若すぎるのだ」


「くっ、またお前か・・・!!」


「いいから任せろ。私はお前を此処で死なせる訳にはいかんのだ」


「ちっ・・・任せたぞ」


「承知した。オレンジと雑魚、纏めて私が排除してやろう」


ミリアルドは力を抜いた。また目が紅くなる。


「やはり外の世界は良いな。羽根を伸ばせる」


レイカが背伸びをした。


「圧縮粒子、開放。体組織切り換え率85パーセント。GNドライヴの駆動率を60パーセントから93パーセントへ。トランザムは・・・未開放か。なら仕方ない。コード『レイカ・ストリンドヴァリ』。目標を消し去る」


レイカが長々と呟いている間に、青年が巨大な剣を持って駆けてきた。


「科学の力に頼らず、進んだ魔法や気の力に頼れば、私に殺されずに済んだかもしれなかったのにな」


レイカが拳を握った。青年は依然距離を詰めに来る。


「闇夜切り裂く一条の光、我が手に宿りて敵を喰らえ。」


レイカの拳が輝いた。


同時に青年も剣を振り下ろしてきた。


「白き雷!!」


拳を突き出し、青年の腹に当てる。瞬間、雷撃が彼の身体を貫いた。


何も言えぬまま、青年の命は尽きた。


「残念だったな。此処で朽ち果てる己の身を呪うがいい」


「さて、片付けるぞ」


流れるような動作で、敵を斬って行く。


なのはやフェイト、はやて、東方不敗の力もあってあっという間に片付いた。


              ■


「片付いたようじゃな」


東方不敗が言った。


「まだだ。まだこの星の降下は止っていない」


レイカから身体を返してもらったミリアルドが叫んだ。


「ふっふっふ。まぁ見ておれ。流派、東方不敗が最終奥義、石破!!天驚拳!!」


東方不敗の両手が輝き、光の弾が地上に向けて撃たれた。


地面が揺れる。


「動きが・・・止った?」


「ミリアルドよ!!」


東方不敗がミリアルドを呼んだ。


「貴様の戦いに臨む姿勢、戦い方、どれを取っても、非の打ち所の無い武道家よ!!よってここに、流派東方不敗が最終奥義、石破天驚拳を、貴様に伝授しよう!!」


「そんなものに興味は無い。任務が終わったのなら、帰還するだけだ。行くぞ」


ミリアルドが歩き出す


「う、うん・・・」


なのは、フェイト、はやてがついて来た。


「見事わしを打ち破って、習得して見せい!!」


東方不敗が襲ってきた。


「どうしてもやるのか・・・3人はコンテナに戻って待機」


「「「了解!!」」」


3人はコンテナに向けて走り出した。


「戦闘レベル、ターゲット確認。・・・排除、開始!!」


「思春期を殺した少年の翼」推奨。


バスターライフルを構え、収束させたGNビームを撃つ。


「当たらぬわぁ!!」


当然横に動いて攻撃を躱す。


「狙い通りだ」


バスターを捨て、ドミニオンを構える。


「甘いわ!!超級!!・・・覇王!!電影・・・弾!!」


東方不敗が回転しながら向かってきた。


「ちっ・・・ドミニオン、防御シークエンスに移行。ファンネルと共にシールドを形成!!」


ドミニオンを突き出し、周りにファンネルが集まり、魔力を収縮させた盾を作り出す。


東方不敗の特攻はその盾で防がれた。


「何と!!」


距離を取った東方不敗の顔は驚きに染まっていた。


「ならば!!ダークネス・フィンガー!!」


当方不敗の右手が紫色に輝き、目にも留まらぬ速さで接近してきた。


だが


「見えているぞ」


ミリアルドの目にはスローモーションにしか見えていなかった。


左手でダークネスフィンガーを払い、ドミニオンの矢先から赤黒い刃を突出させ、東方不敗の首元に近づけた。


ミリアルドの魔力色は普段は赤だが、魔力の密度を上げた為色が濃くなっている。


「・・・どうした?止めを刺さんのか?」


「お前を殺す任務は無い。俺の任務は、この惑星の降下阻止だ」


「・・・ふふふ、ふふははははははははは!!」


東方不敗が突然笑い出した。


             ■


「見事だミリアルド。貴様は見事に任務を完了しておる」


「なら撤退する」


「待て。貴様なら撃てるであろう。わしの使った最終奥義を」


「・・・」


そう。ミリアルドには解っていた。


『自分はこの技を使える』と。


「任務、了解。・・・流派、東方不敗が最終奥義。・・・石破、天驚・・・拳!!」


東方不敗の構えを完全にトレースし、赤い光球を打ち出した。


見事に遺跡を破壊した。


「ミリアルドよ。お主は・・・」


「もういいだろう。俺は帰還する」


ミリアルドは背中の翼を広げ、飛び立った。


「ミリアルドよ。流派東方不敗の心意気、忘れるでないぞ」


東方不敗は誰に言うでもなく呟いたが、ミリアルドは聞き取っていた。


「継続任務了解。記憶には留めて置く」


ミリアルドは強襲用コンテナの中へ向かった。


―――惑星グロリアス、レーヴェ班


「何とか、片付いたか・・・」


「もうくたくたよ。早く帰りたいわね」


レーヴェとセシリアは口々に呟いた。


「それにしても、一機、俺達と同じGNドライヴの様な物を持っている奴が居たな」


「そうね・・・でも私たちのドライヴとは違う。科学で出来たものだと思うわ」


―――惑星グロリアス、練班


「骨が折れる仕事だったな」


「そうだね。あのGNドライヴの様な物も何だったのか気になる」


練とシードもまた、あの紅い粒子を発する機体の事を考えていた。


「どっちにしろ、近い内に統合軍とは戦争になりそうだな」


「ああ。噂では、あの赤い虫も統合軍が関わっているかも知れないらしい」


「はっ。これで奴らを叩き潰す機会が出来たって事だな」


   To Be Continued...


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