2017/10/23(月)23:39
ごちそうさまでした(2次ss/グロ/→死)
身体が真っ二つに寸断されるのが分かった。
少しずつ端から、動きの大きい所から齧られた。
ついにそれが中心に到達し、真ん中で折られる。
興奮さえ殺す激痛。
どうやら頭も齧られているようだ。
痛い。
走馬燈。
大好きなあの世界。
もう一度。
やり直したかった。
共依存でも、そうじゃなくても。
あの子たちへの、
羨望と嫉妬、
憧憬と諦観、
希望と失望、
好意と嫌悪、
同情と侮蔑、
絶望と憐憫、
僕の全てが齧られて食い荒らされていく。
無感情に、かつて死神を騙った僕への戒めのように、冷酷に。
僕の教えは生徒たちの心の中で生きる。
僕の体はこの蟻達の体内で生きる。
嫌だ嫌だ嫌だ、消えてなくなるのは嫌だ、だけど僕以外他に消えられる人が居ない。
そうだ、痛みを押し殺して消える僕は立派だ、これであの人たちも、先にあちらに行った父さんも母さんも、僕を認めてくれる筈だ。
上半身だけでばたばたと動く、無様、みっともない、それより痛い、痛い、紛らわさないと、何か他のことを考えないと、今更どうしようもない言葉が、想いが、漏れてしまう、そんな自分は、駄目だ。
先輩の家族。僕がこちらで目覚めた時一緒に居た彼ら。僕が支え、誤った所に導いてしまった彼女ら。
ーかつて、同じように、地獄に導いてしまった彼ら。
最期にあの子の顔が過る。
あの子は、僕が行けないと知って、悲しむだろうか。
喜ぶだろうか。
それとも。
あの子の全ての負の感情を、責任という名目で、持って逝くことができたら。
そうしたら。
―――そうしたら、きっと。
そこには、
美しい未来には、
綺麗な笑顔で笑うあの子が、
*