2017/05/12(金)16:16
外(茂安ss・IF/ヤンデレ注意)
茂が逃げる手段を得た話。
モブの先生が出てきます。
この話の安居は1~2回タイムスリップしてるレベルの物分かりの良さです。
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「先生の言ってることがばらばらでわかんないよ」
たまにやっぱりこんなのおかしい、外に出さなきゃって言う先生が居る。
しょっちゅう落ちそうになってる僕はよくその出す対象になるみたいで。
だけどそういう先生は大抵居なくなって、外に出てはいけないって厳重注意を生徒にされるんだ。
「大丈夫だ。茂…僕はお前を不安にさせないから」
「何があっても導くから、僕を信じろ」
安居は他の子と違う。
絶対途中で投げ出さないし、馬鹿みたいでかっこ悪くてもからかったりしない。
それから五年が過ぎた。
安居は自分も鍛えながら、僕の面倒を見てくれている
だけど15から僕はろくに安居に会わないで、部屋も変えた
拍子抜けするほど安居は僕の為に頑張って、僕のお願いは聴いてくれた
だけど僕は、どこか不安だった。
どうにか安心する方法を見付けたかった。
逃げられない。
逃げさせない。
「安居、もうやめたい」
「僕つらいよ」
そのお願いだけ安居はきいてくれなかった。
なんで未来の為に頑張ってるのか分からないのに。
「安居、わかんない」
「教えてよ」
そのお願いならきいてくれたから。
「僕はもう一人で暮らすから」
「茂…」
「……」
「どうして」
「……じゃあ、ね」
その時の戸惑ったような、怒ったような、泣きそうな顔が放っておけなくて。
だけど銃を撃つときのどこか残酷な決意を秘めた諦めがその両目に光っていた。
「……」
それでも、安居はきっと、僕ほどは落ち込んでいないんだろう。
切り離した側のくせに落ち込む僕は弱くて、どうしようもない。
「やっぱり離れるなんて、無理だったんだ」
だけど、一人部屋になってよかったことが少しあった。
一人の部屋でなら、いくらでもーいくらでも愚痴をこぼせたこと。
安居に聴かれたら、心配される言葉をたくさん。
ただの独り言だったから、前に進まなくてもいい弱音を吐けた。
*
だけど、ここなら。
施設の外なら、そんなことも気にしなくていい。
安居は縛られない。安居だって、弱音を吐ける。
縛らずに済むし、縛られずに済む。
子供のころに、戻ろう。
最後の船に僕は乗った。
もはや先生でない彼に貰った薬。
差し入れの水を、安居は何の疑いも持たずに飲んでくれた。
「だから、安心して居てよ、安居」
「・・・・・・っ」
「・・・・・・泣いてもいいんだよ、ここなら」
「うん・・・・・・・・・・・うん・・・・・・・」
ただ茫然としている安居を抱き締める。
「ごめん、ありがとう」
「オレ・・・僕・・・ここでの生き方が分からないから・・・」
「うん」
いつまでもつ?
いつまで続く?この生活
そんなことは、考えない。
ただ一緒に、Xデーを。