2014/06/28(土)18:53
転がって見上げた青空(復活ss)(山ツナ)
転がって見上げた青空
よく見上げたもんだよ。
ホームラン。
試合の最中はそんな余裕無くて、打ったらすぐに走ることが多かったけど
他の選手が打ったのを見たときとか、練習のときとかに思わず仰ぐ。
白球を追って見上げた先にはーーー空。
青空と白球を見上げると、
あの6月29日の青空と、そこに飛び出した俺が重なる。
ホームランの球は、選手にはキャッチされない。
飛んで飛んで飛んで、
空に吸い込まれるように見える。
ツナという大空に、あの日俺が受け止められたように。
一頻り打って打ち疲れて、服の汚れも厭わず芝生に寝転がる。
近くに森があるから、視界一面に青空とはいかなかったけれど
ツナに包まれている気持ちになる。
一人、静かに目を閉じる。
ーーー数日後、ある殺し屋ととある下っ端の会話ーーー
「山本さんの遺体が、並盛の森近くで発見されました」
「・・・そうか。あいつも・・か。」
「これから、俺達どうなるんでしょうか」
「ボスも居ない、守護者も居ない、ヴァリアーは今敵と交戦真っ只中。
ヴァリアーは恐らくこっちと手を切れば、なんとか」
「それをあっちのボスに言ってみろ。馬鹿にすんじゃねぇって炎弾が飛んでくるぞ」
「・・・そうですね。では、ボンゴレは・・・」
一頻り戦って、戦いつかれて、彼は静かに青空へと還った。
その日はくしくも、
雨の涙が大空に吸い込まれた、あの日。