Laub🍃

2018/03/13(火)01:46

落花流水/2    (7sIFss)

🌾7種2次裏(312)

IF記憶喪失安居視点 ******* 落花流水/2 ******* 13歳の選抜試験が終わって、のびのびと僕……じゃない、俺は泳いでた。 茂が前を泳いでる。 危ないな、あの泳ぎ方。 また、教えてやらないと。 * 気が付いたら、いくつかの見知らぬ顔に囲まれていた。 「うえ……げほっ」 どうやら僕……いや俺は溺れかけてたみたいだ。 「起きた!!」 「大丈夫ですか!?」 「げほっ……………どこ…ここ……」 ……もしかして、ここは外の世界なのか? プールでもしかして俺は溺れたのか。 そのせいで病院に運ばれたのか、それとも……それとも……落第しちゃったのか……!? 「む、無理して喋らない方が……っ」 「そうよ、大丈夫よ、落ち着くまで待ってるから」 「水…飲めますか?」 目の前の、人の好さそうな青年が、器に入れた水を差しだしてくる。 要先輩と同じ位の年かな。 「……」 水をこくこくと飲んでいると、少し気持ちが落ち着いてくる。 同時に、身体がぶるりと震える。寒い。 「おらおら、焚火んとこに早く連れてこいや!」 「は、はい!」 「すみません、歩けますか……無理ですよね、……おぶいますよ」 「……ああ……」 なぜか酷くだるい身体をなんとか起こして、その人が好さそうな男の背中に俺はもたれかかった。 ずり落ちそうになる俺を、大人っぽい女性が支えてくれる。 テレビや写真でしか見たことがない、大人の女性。 こんな感じなんだな。 何故だか少しほっとして、俺は再び意識を手放した。 意識が途切れる直前目に入ったのは、さっきから震えた声を上げていた女の子。 外見はちょっと繭に似ているような気がしたのに、意識が薄れるに従って、その顔が茂に重なっていく。 「……しげる…」 あいつは心配してるかな。 暗闇の中、茂が一人残って、俺に手を振って、そして、すとんと俺はやわらかい真っ黒な世界に放り出された。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る