Laub🍃

2018/05/03(木)17:45

つけこみつけこみうんねんぶん   (1次ss)

.1次題(177)

お母さんが泣いてる時に近付けば、ゆるしてもらえた。 お父さんが「俺の何が分かる」って皆に言ってる時は、普段一緒にいないあたしだけは、傍に居られた。 だから、あたしは誰かが弱っている時が好きだ。 あたしが唯一愛してもらえる時だから。 誰でもいいから傍に居てほしい時。 身近な人ほど弱音を打ち明けられない時。 とにかく何かに文句を言ったり当たり散らしたりしたい時。 あたしは一緒に居てあげた。 それなのに、回復するとあの人達はあたしから離れていく。 曖昧な笑みを浮かべて、もう大丈夫だと言う。 何が大丈夫だ。 あれだけ縋って、皆を罵って、泣いていた癖に。 それでもあたしは引き留められない。 引き留めたら今度はあたしが、その人の泣くきっかけになる。怒るきっかけになる。 そしてその人は別の人に泣きつくのだ。 耐えられない。 唯一のあたしの存在意義さえ、侵犯されてしまう。 そんな夜は死にたくて死にたくてたまらなくなる。 「あっ、もしかして君~?俺、『ラム男』!」 だからあたしは、 「…はい。『ソビ』です」 「言ってたほどブスじゃないじゃ~ん」 「がっつり盛ってるんで」 今日もまた、寂しくて悲しい人の所で夜を過ごす。

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