2018/12/22(土)05:55
漂流教室 (※漫画・漂流教室とは一切関係がありません)
毎日、目の前で喪った彼の代わりに彼女を抱く俺は、もう壊れているのだろう。
気絶する直前まで彼の名を呼ぶ彼女も、もう壊れているのだろう。
だけど恋人を喪った俺も、彼女も、同様に救助の手を求めはしない。
一緒に生きて帰りたい相手は死んでしまった。
そして救助の手に縋れば、その現実に向き合わなくてはいけない。
だから俺は彼女を恋人の名で呼ぶ。
彼女は俺を恋人の名で呼ぶ。
その内ここにある食料も尽きて、俺達は互いの体を貪り合うのかもしれない。
そんな日が来ることを待ち望んで、俺は今日も彼女を強く抱き、肩を千切り取りそうなほど強く噛んだ。