Laub🍃

2018/12/07(金)01:43

疫病神ブラザーズ (松幽霊パラレル2次ss)

🌴松(67)

六つ子誕生日おめでとうだけど祝ってないSS ※派生だらけ おそ→元サラリーマン カラ→元社畜 チョロ→警部 一→医者 十四→オカマバー トド→聖歌隊 の派生松の幽霊+αたちが疑似家族やってる話 ******  僕の後ろにはとんでもない疫病神がついてるって、前歯が凄いおじさんが言ってきた。  おじさんはその直後泡を吹いて気絶してたから、そうとうやばいものを見たんだろうなあ。 「……ねえ、やめなよ、兄さん達」 「いーや、かわいー弟分を守ってる俺らを疫病神扱いされたとあっちゃぁ黙っちゃおけねぇな」 「こういう時こそ俺達のクレイジーでギルティな力の見せ所だろう」 「はいはい、いいから変化といて」 「ちぇー」 「変化を解いても罪深き美しさは変わらない…それが俺」 「イッタイよねー」  後ろに居るのは自称僕の兄さん達。  血は繋がってないけど何故かそっくりだからってことで僕の兄貴分面してくる。  因みにみんな幽霊だ。 「こいつ詐欺で指名手配されてたよ」 「自白剤注入して警察署の前に置いといたら」 「ついてってさっきのヤンキーごっこもっぺんやろ!!」 「別にいいよ、めんどくさいし」 「ひえ~出たよドライモンスター…」 「何とでも言えば」  毎年毎年、引っ越すたびに事故物件に遭遇して、その度に口うるさい同居人が勝手に増えていくようじゃそりゃ9歳で達観もする。 「兄さん達見てると、生きてる間より死んだ後の方が楽しいんじゃないかって思うよ」 「そんなことないよ!僕ら、トッティに見付けられるまでは誰にも見てもらえなかったもん」 「……そうらしいね」  そうなのだ。  兄さん達は個々だと実体化できない。  今でこそ、霊感のある僕と、零体の他の皆が居るからヤンキーや女の子や魔物に変身することもできる。  けど出会ったばかりの頃の兄さん達は薄い色のついた靄だった。  同僚が会社の屋上で悪魔を呼び出した時生贄に魂取られたけど火葬後に魂クーリングオフされたおそ松兄さん。今は自分が悪魔みたいなことをしては生きてる人間をからかっている。 この葬式に母さんが3歳の僕を連れて出席したのが始まりだった。 赤い靄だったおそ松兄さんは、僕が近付いた時段々と人の形を取り出し、僕が席に着くと同時におそ松兄さんは完全に実体化した。のはいいんだけど、それをいいことに、何度も何度も僕の周りで脅かし続けてきた。母さんには見えないのをいいことにやりたい放題だった。あまりに怖くて、葬式場でもらった塩をぶん投げたら溶けた。思いのほかグロくて僕は泣いた。『ドッキリ大成功!』ただのドッキリだった。僕はおそ松兄さんをしばらく真顔で無視し続けた。おそ松兄さんは泣いた。  僕の父の仕事先で過労死したカラ松兄さん。死後の余暇を悠々自適に中二病してる。 最初青い靄の中心にドクロだけが見えたからびっくりして泣いてしまった。4歳の僕がギャン泣きしてるのを見てカラ松兄さんは慰めようとしてくれたみたいで、段々と僕とおそ松兄さんに近付いてくる度にはっきりとその声が聞こえてきた。『リトルボーイを泣かせるなんて…罪深き…俺!!』おそ松兄さんのあばらが折れた。僕は泣いた。 ちなみにドクロはカラ松兄さんの背負ってる十字架…じゃない服の模様だった。  アパートの一室に追い詰めた犯人に刺されて死んだ警部のチョロ松兄さん。今は好きなものの追っかけをしてる。引っ越し先がこのアパートだったせいで僕はまた取りつかれる羽目になった。緑の靄からチョロ松兄さんが勝手につけたテレビと勝手に描いた絵のせいで僕は5歳にしてドルオタ嫌疑をかけられた。僕は泣いた。  師事した相手がマッドサイエンティストで猫との合体手術をされたけど失敗に終わって死亡した市松兄さん。今は幽霊になった猫とよくフュージョンしてる。一松兄さんが病院で6歳検診受けてる僕にとりついてから、猫がやたらたかってくるようになった。夜道にちらっと後ろを見たら無数の光る眼がこっちを見てた。僕は泣いた。  絡まれた同僚の代わりにお酒を呑みまくって中毒死した十四松兄さん。今はドブの水を呑みまくっては水芸してる。十四松兄さんは、誰かを探していたらしい。その為にオカマバーに潜入して情報を探ってたんだって。十四松兄さんはパワー系だったから幽霊になってからも、道行く人の意識をジャックしまくる事が出来た。ただしそのせいでJさんという承●郎みたいなかっこした寺生まれに目を付けられ、破ァされて弱体化してしまった。 父さんが散々飲まされて帰って来た日、玄関に爆誕したゲロがやあとか言ってくるから僕は泣いた。 「あの時から僕達、何かあったらトド松を助けようと思ったんだ」 「それだけ聞くといい話だけど、僕が聖歌隊の女の子と話してたら邪魔してくんのは何で?」 「それはそれ、これはこれ」  チョロ松兄さんは無残に切り捨てる。  この野郎。  ただ、さっきみたいに変な奴に絡まれた時、兄さん達なりに助けようとしてくれてるのも事実で。 「……厄介なもんに憑かれちゃったなぁ、ホント」 「せいぜい楽しんで過ごそうよぉ」 「るっさいなあ!」  言われなくても。

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