2020/04/27(月)22:39
すもももももももものうち
黍団子 の続き。 数年後助けが来た話。
「のびた……?」
「?のびたって誰のことだ?」
「のびた!あたしだよ、花だよ!大丈夫だった!?」
「茂、もしかしてあれってお前の知り合いか?あだ名か?のびたって」
「……」
「あんご、しげる、下がってろ、俺が話を付けてくる」
「……茂、茂、またどこかに行っちゃうのか?おれはもう駄目だ、お前が居なくなるなんて耐えられない、行くな、行かないでくれ」
「……大丈夫だよあんご、僕は行かない。あんごの居ない所で死んだりしない」
「そうだよな、大丈夫だよな」
「……ねえ、りょう、少しだけ話させて。大丈夫、僕が居なくなる話じゃないから」
「久しぶり、花」
「ああやっぱりのびただ、のびた、大丈夫だった?」
「……大丈夫だよ。五体満足だから。……でも、あそこからはもう抜け出せるかどうか分からない。僕は、あの人の亡くした大事な人にそっくりらしいから。ずっと、この数年身代わりをやってきた」
「……もし僕の子が、僕にそっくりなら、代わって出られるかもしれないけど、それを赦せる?屑だと思う?」
「ねえ、教えて。 僕にはもう、分からないんだ」