2022/11/30(水)03:08
盗賊少年の独白
「拾ってやった」という目が気に食わなかった。
盗賊団のお頭に拾われた。
巣窟に行くと俺のように他に行き場のない子供が沢山居た。
拾われた当時はそりゃあ助かったし喜んださ。
故郷を捨てて逃げた卑怯者の俺は負い目もあったから余計にお頭に尽くした。
新しい生活は刺激的で解放感に満ちていた。
だが時が経って冷静になると気付かざるを得ない。
お頭の残虐性と放任主義に。
だから俺は住みかを新たに探してさ迷った。
同じように思う子供は他にも居たらしい。
不安を分かち合い、時には諌めあってなんとか俺達は盗賊の独立部隊を結成し始めた。
いつかこの力をもっと蓄えて、お頭をも凌ぐ大盗賊団を作ってやる。それが俺の夢だ。