マイ・ブロークン・マリコ(平庫ワカ著) 感想
「きっと置いていったらシィちゃんは怒るんだろうなぁ」と、おそらくマリコは想ったのではないでしょうか。色々といやなことがあるたびに「シィちゃんが私のために怒ってくれる」を支えにしていた彼女。「シィちゃんが私のために怒ってくれる」ことがもはや全てになっていた彼女。そんな置いていったマリコ(お骨)に対してシィちゃんはこう叫ぶわけですよ「骨なんて撒いてやんねー!!!」「飛び降りてやる!そこで見てろ!!」「置いてかれる方の気持ちわかったか!」強くて、自棄にさえ見える真っ直ぐさ。それでも止めてくれる人が居たから、届けてくれる人が居たから、シイノはまたマリコ(に似て辛い想いをしそうだった少女)とマリコ(遺書)に手を伸ばせたのです。世の中捨てたもんじゃないですね…。レビューは「絵は上手いけど説明不足」という冷笑的な所感と「マリコと似た人が居ることを知っている」「どうにもならなさやりきれなさに共感した」「シイノの強さやポップさに救われた」という想いの吐露に溢れていて、荒削りで魅力的な作品への双極的な評価だなぁと思いました。GLではないけれど、女性同士の根の深い共依存としてとても刺さりました…。