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9月の10日から15日までは世界柔道2003大阪大会の中継ス
タッフとして大阪城ホールで仕事をしていました。 解説者のシドニーオリンピック銀メダリスト、篠原信一さんのフォ ローが僕の主な仕事。 格闘技好きの僕にとっては願ってもない、充実した時間を過ごす事 が出来たのです。 紹介を受けるまで、彼に対しては「無骨で多くを語らないタイプ」 というイメージを持っていたのですが、実際会ってみるとそのイメ ージすぐに吹き飛びました。気さくでよく喋る、実に付き合いやす い関西人バリバリの男、そこに体育会系独特のやんちゃさが加わっ た、面白いにいちゃんそのものだったのです。 会場を歩いているときも、柔道少年たちからのサイン攻めにも気安 く応えていました・・・・・・ 彼のサイン色紙には自分の名前よりも大きくある一文字が書かれて います。 「気」の一文字です。 勇気、元気、気合い、気配り・・・・・ 生きるうえで大切な事柄の全てがその一文字に集約されていると彼 は言うのです。 スポーツを極めた超人が言うそれには説得力がありました。 何を多く語るわけではなく、「やっぱり、大切なんは気でしょ」 という一言が、どんな理屈をこねた人生論よりも深く胸に残りまし た。 そう思って世界柔道の試合を見ると、確かに技や力を超えた勝負を 決める何かを感じることが出来たのです。 世界柔道6連覇の偉業を成し遂げた田村亮子が会場に登場すると、 彼女の「気」が周りの雰囲気を変え、独特のムードが漂いました。 また、一瞬の「気」の緩みが、技としては完璧な野村選手の金メダ ルを奪い去りました。 そう思ってみると、「全てが気だ」という一言につきると思えたの です。 そして、9月の15日、世界柔道の中継ルームで、星野監督の胴上 げを見ながらも、 その目に見えない「気」が持つ魔法を感じました。 日常、人は、現実に目に見えるものを信じて、今まで起こった経験 から裏づけられたデータをもとに行動し、一喜一憂します。 しかし、その日常を超えた、プレッシャー、緊張感を経験した、ス ポーツ選手や生死の境を体験した人には、目に見えない「気」を肌 で感じ、存在を確信出来るのだと思います。 「気」を説明するのは難しい事です。 でも人は、人を励ましたり、自分を高めようとするとき、 勇気、元気、気合い、と言った「気」が入った言葉を必ず使いま す。 体が外に与えるパワーガ「力、心が外に与えるパワーが「気」と言 えるのかもしれません。 体を鍛えることで、50キロしか持ち上げられなかった人が100 キロを軽々と持ち上げる力がつくように、心の鍛錬で、周りに少し の影響しか与えられなかった人が、大きな影響力を持つ「気」を手 に入れることが出来るはずなのです。 篠原信一さんとは難しい話は一切せず、大会中、常に一緒になって ふざけてばかりいましたが、肌から感じる、また何気ない一言から 学ぶものはたくさんありました。 同じ人間同士、凡人と一流選手にはどんな違いがあるのかといつも 感じてはいましたが、やはりそれは、技術や体力、練習量、という マニュアルから学ぶものとは全く発想の違ったところにある事を確 信する事が出来ました。 一流選手のパワーをもらえる現場で仕事が出来て本当に僕は幸せモ ノだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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