ばあやの割烹着<妄想~異母弟リュウぼっちゃま編 >リュウぼっちゃまは、お母様ゆずりの大きな瞳とさらさらの髪、 たいそうかわいらしい男の子。病気一つせずすくすくと育ち、明るい性格でみんなにかわいがられています。 マコトお兄様とちがって、お勉強より外あそびが好きなのですが、 ついついお座敷でも走り回って、 「少し静かになさい、お兄様がお休みになっていらっしゃるのよ。」とお母様に叱られる事もあります。 それでも、「あっ、ごめんなさい。」と素直に謝るよい子。 そして、原っぱでつかまえた鈴虫をかごに入れ、そっとお兄様のお部屋に置いてあげる優しい子でもあるのです。(なんてかわいい!) リュウぼっちゃまは、今日も、隣のお屋敷の幼馴染ハナヲお嬢様と、お庭で楽しく遊んでいらっしゃいました。 ところが! 縁側で本を読んでいるマコトぼっちやまを見つけて、ハナヲお嬢様がおっしゃるではありませんか。 「マコトさまはほんとにメガネがお似合いで、賢くていらっしゃるのね…… ねえリュウさん、私も、マコトお兄様ってお呼びしていいかしら?」 うっとりとマコトおぼっちゃまを見つめる少女の横顔に、リュウぼっちゃまはショック! 「だめだい、そんなのっ!」 ぷいと飛び出して行ってしまいました。しょんぼりとおうちに帰るハナヲお嬢様。 やがて、お庭に出てきたばあやは、ぼっちゃまがひっくり返していった桔梗の鉢を 「まあまあ…やっとつぼみができましたのに……」と起こしています。(これは、リュウぼっちやまが、咲いたらハナヲ様にあげようと思って、こっそり育てていたのをばあやはお見通し。) そして、ぼっちゃまたちの好物のライスカレーを作ったぱあやは、 ねえやを呼んで、一人ですねているにちがいないおぼっちゃまをさがしに行かせるのです。(つづく) ちょっと出遅れたけど、がんばれリュウぼっちゃま! かわいさなら負けないわっ。 ちはるばあや、大奥なんかじゃないのよ、抒情派よっ。 byすぎな |