映画日記2

映画日記2



「12人の怒れる男 」 2003/06/04(水)
○監督/ウイリアム・フリードキン  ○cast/ジャック・レモン他
○1997年アメリカ(劇場未公開、TV)
これは、1957年に作られた同名の映画(主演はヘンリー・フォンダ)のリメイク版で、もともとの1957年版は、法廷劇・密室ドラマの大傑作として定評があります。
私が見たのはもう2~3年前ですが、いまでも強烈なインパクトとともに記憶されてる映画で、こんなにスリリングで手に汗握る映画は他に見たことないかもしれません。(やや言い過ぎかもしれませんが・笑)
お話の内容は、黒人少年の殺人事件を陪審員が審理するという内容なんですが、この少年、どう見ても有罪確定なんですよね。
ところが一人の陪審員が「ちょっと待った??」を出して、「いや、違うんじゃないのか???」と、誰も思ってもいなかった部分から切り込んでいって、それがために他の陪審員が全員深く苦悩し始める、というオハナシ。

脚本と演出が素晴らしいんですね~!ほとんど同じ場所で延々と展開されるんですが、そんなこと忘れるぐらいスリルに満ちた展開で、「ものすごくドキドキしたい~!!」という場合にはお勧めの映画です。
監督ウイリアム・フリードキンはエクソシストで名を馳せましたが、なかなかに無駄なシーンを作らない、緊迫感のある展開が上手ですね~!この監督の「ハンテッド」がいま劇場公開中ですが、うーん、「次官たち」よりはこっちを見てみたいかな?(笑)

ところでどうも俺は密室ものに弱いようだ(笑)
この映画もそうだし、8人の女たちも密室劇だし、ゴスフォード・パークも密室劇。
でも脱出ものとかにも弱いけどね(笑)


「めぐりあう時間たち 」 2003/06/06(金)
○監督/スティーヴン・ダルドリー
○cast/ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、エド・ハリス
○2002年、アメリカ
これは見る人のおかれている立場とか、これまでの人生で積み重ねてきたものの感じ方とかで、評価が180度分かれる映画だと思いましたねえ。
ワタクシ的には「最高」!!!!!!もう、ハッキリ言って、今年度の最高傑作はこれに決定です。

この映画で描かれているのは、人生そのものの、断片です。
ものすごく簡単に言ってしまえば、「こんなはずではなかった人生」を抱え込んでいる人たちの、それぞれのストーリー。
生きていくということ、死ぬということ、それらを抱え込んでなおかつ人生を受け入れていく、という姿にワタクシ的には大感動でした。

順風満帆に、何の問題もなく、何の葛藤もなく、楽しいだけの人生を過ごしてる人にとっては、気分が重くなって滅入ってしまうような映画かもしれません。
ただ、時に「泣いてしまいたくなるような圧迫感」を人生から感じたことのある人なら、ものすごく共感できる映画ではないかと思います。
みんな、演技がものすごい迫力で圧巻ですよ~!
ニコール・キッドマンはアカデミー賞主演女優賞も納得の、素晴らしい演技。ワタクシ的にはジュリアン・ムーアの役どころのほうが難しく思えたし、ジュリアン・ムーアの演技のほうが迫力満点と思いましたが、甲乙つけがたい!
エド・ハリスもものすごい演技を見せてくれます。
スティーヴン・ダルドリーという監督は、「リトル・ダンサー」で希望と夢に満ちた人生の素晴らしさを描いて見せましたが、この映画では「こんなはずじゃない人生」を抱え込みながら、何とかそれを受け入れて生きていく人たちをしっかり描ききっていて、たいしたものだと思いました。
人生から逃げられないなら、なんとかして立ち向かっていくしかない、と思わせてくれて、ワタクシ的にはこういうの見るとちょっと元気を分けてもらえたりするんですが、それはかなり変わった感想だと思います。

以下、ほんのすこ~~しだけ、ネタバレお許しを。 エド・ハリスが最後のほうで言う「I Love You」という一言、たぶん映画史上で最もせつない「I Love You」かもしれません。


「ファーゴ」 2003/06/13(金)
○監督/ジョエル・コーエン  ○製作/イーサン・コーエン
○脚本/イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
○cast/フランシス・マクドーマンド、スティーブ・ブシェミ、ウイリアム・H・メイシー
バートン・フィンクで滑って以来食わず嫌いだったコーエンブラザーズにとうとう挑戦してみましたが、いや~、実に面白かった!!
こういう映画を見ると、アメリカのショウビズの底力をまざまざと実感しちゃいますね~!
この映画は演出も脚本もカメラワークも全部いいんですが、なにがすごいかと言うと、この映画、キャスティングがバツグンと思いません???
フランシス・マクドーマンドの普通っぽさと、ブシェーーーミのちょっと壊れかけ、そしてどう見てもチンパンジーのあの人ウィリアム・H・メイシー、この配役があまりにぴたっとはまってて、スバラシ!
しかもみんな、他の映画にもがんがんでまくってるのに、そういう匂いがついてないでこの映画のキャストになりきってるもんなー。そのあたりが地味にスゴイんじゃないでしょうか、この映画。

特に光ってたのは、やっぱし、 ブ、シェーーーーーーミ!!!!
君は素晴らしい~!あんなに上手にあごを撃たれる演技をした役者さんを俺は他に見たことないよ(笑)

真っ白な雪景色、引きの画面がものすごく印象的で、画面の構成が憎いばかりに上手なのね~!札幌人はあの寒々しさ、実感として知ってるだけによけい哀しさが伝わってくるですよ。
ところでこの映画が「単なる殺人事件の記録」じゃなくて「面白い映画!」として成り立ってるのは、やはりフランシス・マクドーマンド演じる妊娠中の女刑事の普通っぽさなんでしょうね~!あの人は、きっちり生活してるもんな。生活も描かれてるしね。警官はあくまでも「お仕事」。
そのあたりの、「殺人事件」という非日常と、普通の「日常」のバランスが絶妙と思いました。だから人間の哀しさが伝わってくるんだねきっと。あれで殺人事件の記録だけになると陰惨な印象しか残らないもんね。

でも、仲のいい友達とも話してたんだけど、あの日系人とのカフェでの会話のシーン、あれっているのかな??????(笑)
やっぱ、いまいちあそこだけビミョーだなー(笑)

あともうひとつ、こんなに登場人物が「ヤァ!ヤァ!」言う映画は初めてだ(笑)
マグノリアが「Fuck You!!!」最多映画だとしたら、ファーゴは「Yeah!Yeah!」最多映画だねきっと(笑)


「未来は今」 2003/06/16(月)
○監督/ジョエル・コーエン
○脚本/イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン、サム・ライミ
○cast/ティム・ロビンス、ジェニファー・ジェイソン・リー、ポール・ニューマン
○1994年アメリカ
映画を見て「もう一回見てみたいなあ」と思うのはよほどのことですが、最近はその「よほどのこと」が続いて、嬉しい限りです。1本は「めぐりあう時間たち」。これはリピート券でもう一度見たいほど好きでした。
もう1本が、昨日見た、「未来は今」。

「この映画はコーエン兄弟がメジャーを狙ってお金かけて作ったそうですが、コケたんだそうです。」

ということを掲示板で教えてくれたのはイロマちゃん。(勝手に引用してゴメンナサイ)
でもなぜコケたんでしょうね?私はこれ、かなり大好きでした! 今まで見た歴代の映画の中でも堂々上位入賞というぐらい、好きですね~!
まあしかしこの映画をあまり好きではない、という人がいるのも分からないではないし、全体の整合性とか毒がないとかナンダカンダとか、確かに突っ込みどころはけっこうあるかもですが。。
そんなディテイルにケチつける気にならないぐらい、全体のプロットと仕掛けが私は大好きでした♪ ラストはいったいどうするんだろう、とかなりハラハラドキドキして見ていたら、「ルール違反」 見た人は分かると思いますが、あれ、台詞も絵も最高ですね~!!!!(笑)
ティム・ロビンスがいいのは言うまでもないんですが、この映画、 ジェニファー・ジェイソン・リーがヨカッタ!ブリジット・フォンダの「ルーム・メイト」でもすごく怖い役どころを好演してましたが、「未来は今」のジェニファーのほうがよかったなー。
映画は全体にテンポもリズムもいいし、コーエン独特の「間」もたっぷり効いていて、しかも真っ白な画面の中で踊るシーンとか、紙に書いた○シルシだとか、見せ方や演出もすごくヨカッタ!
ッテワケデ、「大好き!」しか言ってないレビューになりましたが(笑)、ネタバレナシで書くとこうなっちゃいました(笑)


「赤ちゃん泥棒」 2003/07/14(月)
コーエン兄弟の独特の「間」がすごく効いてる映画なんですが、とてもテンポがいいし脚本がリズミカルで、じっくり楽しめる、いい匂いのするコメディでした。
実はニコラス・ケイジが出てる映画は初めて見ましたが、さすが、やるもんですね~!常に頭が爆発してて、それだけ見ててもなんとなくふつふつと笑えます。
ピアノ・レッスンで女の情念と官能を見事に演じきったホリー・ハンターですが、この映画ではなんだかすごくカワイイ!あとね、この映画、音楽がとてもよいんですねー、オフビートで♪

「エド・ウッド」 2003/07/22(火)
見たときには「この映画モノクロにする意味あんのかなー?」とやや疑問符つきながら見てたんですが、見終わって数日するとモノクロームの印象がかなりいいんですね、この映画。
監督さんはジョニーデップばかり起用してる人ですが、この映画のジョニーデップは実に見事!ショコラもシザーハンズも相当良かったですが、いい役者さんだな~。
映画は、「史上最低の監督」に選ばれたエド・ウッドを暖かみたっぷりの人間に描いていて、とてもいい気分になる作品でした。自分が監督した映画の上映のときに、役者さんのせりふにあわせて口を動かすシーンがあるんですが、映画への情熱をさりげなく伝える絶妙のワンシーン。あのあふれる情熱とあの才能のなさ!やりたいことやるのに才能なんて全然関係ないと思わせてくれて、元気が出ました。

「ピアノ・レッスン」 2003/07/22(火)
友達に勧められて見た映画ですが、ホリーハンターが凄い演技で魅せてくれましたね~!男の目で見るとハーベイカイテルのあのやり方は「え???そんなんでいいの????マジデスカ!」って部分がかなりあるんですが(笑)、あの「常識と世間体だけで生きてる」ダンナとの対比がうまく描かれていて、女性の官能的な感覚がしっかりと伝わってきましたですね~!
見ていて、男子禁制?と思わせてくれるほど官能的でドキドキしました。男子禁制?と思わされたのは、ガタカ以来ふたつめ(笑)

「ハネムーン・イン・ベガス」 2003/07/22(火)
これは昨日見たばかり。いやーテンポの良いコメディで、面白かったな~!
ニコラス・ケイジっていままでなぜか本当に縁がなかったんだけど、こないだ見た「赤ちゃん泥棒」が意外に良くて、ちょっとはまりそうですよ??
この映画は、結婚しよーかーと言ってべガスに乗り込んだカップルにふりかかった騒動をコミカルな脚本で描いた、とても映画らしい映画!全体のプロットがすごく良くて、まったく退屈しないで楽しめます!最後、愛する女の子をニコラスケイジが凄い方法で追いかけていくんですが、俺もああいうふうにして女の子を追いかけてみたいもんだね~と、ちょっと思ったりしました(笑)
サラ・ジェシカ・パーカーがカワイイ!(ので驚いた・笑)

「ガタカ」 2003/07/22(火)
これは女子向き美しい映画!なにしろまずジュード・ロウの美しさにうっとり(女子なら)、しかもイーサン・ホークも妙に色っぽい(と女子なら思うかも)、そしてブルーを基調にした画面が何しろ美しい!
男としては、ユマ・サーマン超絶美形にうっとり、という映画デスね~♪
ストーリーとプロット面白いし扱ってるテーマもなかなか重厚だったりするんですが、二回見ないとわからない部分があったりもします。
イーサンホークが海辺で身体をゴシゴシするシーンがすごく印象的ですが、撮り方がやはり圧倒的に「女子向き」(笑)


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