一期一会

2007/06/20(水)02:55

ALWAYS 三丁目の夕日

映画(10)

「ALWAYS 三丁目の夕日」 今頃になってようやくですが、DVDを買って見ました。 2005年秋に公開されて以来、延べ270万人を動員し、半年以上のロングランを続け、日本アカデミー賞をほとんど総なめにした映画。 きっと日本の皆さんは、映画館やテレビなどで、もう見られたでしょう。 この映画には、日本人の心を打つ何かがあるように思います。 そういえばあの温家宝さんも見たと言っていましたね。 ところでこのDVD、先日油麻地の信和中心にある日本のDVDや音楽CD等を売っているお店を見ていた時に、たまたま見つけたものです。 そのDVDは「豪華版」というモノで、税込み7140円もするようですが、そこは香港ですね、正規版の新品なのにお値段は98HKD(約1600円)でした。 それでラッキーとばかり、その場で購入してしまいました。 さすがに豪華版というだけあって、中身は盛りだくさん(笑) 写真のように、こんなにいろんなものが入っていました。 おもしろいのは、立体写真とそれを見るための立体めがねです。 映画のいくつかのシーンが立体的に見えるんです。 中で特に良かったのが、129ページもあるブック・レート「昭和はこうして作られた」。 これには、この映画の製作についてのいろんな情報が満載でした。 ご存知のように、この映画は昭和33年が舞台ですが、その風景をどうやって再現するのかが一番苦労したところでしょう。 そこは高度なCGはもちろんのことですが、当時の本物にもとことんこだわっています。 例えばあの名機関車「C62」の上野駅ホームでの映像のため、京都の梅小路蒸気機関車館にプラットホームを作ってしまったり、日本に数台しかない3輪自動車「ダイハツミゼット」をコレクターから借りて来て実際に走らせたようです。 上野駅や都電の姿も当時の様子が忠実に再現されています。 そうしたこだわりの中から、懐かしい昭和の風景が生まれ、感動を呼んだんですね。 とにかく昭和33年の当時に実際あったものにこだわり、それを忠実に再現することに徹したようです。 テレビもその年に新発売になったものを捜して、ブラウン管を交換して、本当に写るようにしたり、冷蔵庫もかなり苦労して実物を捜し出し、新品同様に仕上げたり。 スタッフの苦労も並大抵の事ではなかったようです。 さて実際の映画の方ですが、笑い有り涙有り、そして最後はとても心が暖まるそんな映画ですね。 昭和33年当時、私はまだ生まれていなかったですが、どこか心の中の情景と重なり、懐かしさがこみ上げて来ます。 当時、白黒テレビはありましたが、カラーテレビがまだなくて、途中でカラーになったのを覚えています。 既に他界している父がよく乗っていた目黒のバイクやダットサン。 お金は決してなかったと思うのですが、新し物好きだったのでそうしたものは早かったですね。 そういえば、あの駄菓子屋の雰囲気や風鈴売りもどこか懐かしさを感じますね。 あの頃は、まさに日本の高度経済成長が始まったばかり。 間もなく東京タワーができて、東京オリンピックと東海道新幹線の開業がありました。 その後万博があって、そうして今の日本があるわけですね。 ちょうど今は、当時頑張って日本を支えてきた団塊の世代が、まさに定年を迎えようと言う時期ですね。 実は、映画の中の建設途中の東京タワー、私にとっては衝撃的でした。 物心付いた時には、東京タワーはもう完成していましたから、建設途中のイメージって言うのは全くなかったんです。 だから、今回まさしくあの未完成の東京タワーが、高度経済成長の途上にある日本そのものに思えました。 サブタイトルの言葉に、「携帯もパソコンも、TVもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったんだろう」と言うのがあります あの頃は、みんな貧しくても、何か将来への夢とか希望のようなものを持っていた。 またご近所みんなで助け合って生きていたんですよね。 今は日本全体が豊かになりすぎて、便利でモノも溢れているのに、それでも何か先の希望が 見えない混沌とした中にいる感じがします。 近所の人との繋がりもすっかり希薄になっています。 この映画を見てそんなことを感じた人はきっと多いのではないでしょうか。 ストーリーの中では、売れない作家茶川竜之介役の吉岡秀隆と古行淳之介役の須賀健太が、特に光っていますね。 二人の最後の再会のシーンは、感動して久々に涙を誘いました。 この映画、昭和を生きた親の年代はもちろんでしょうが、昭和を知らない子供にも是非見せてあげたい映画ですね。 今年の11月には、続編が上映されるようですが、今から楽しみです。 必ず見たいと思います。 ALWAYS  3丁目の夕日 公式サイト ALWAYS 続3丁目の夕日 2007年11月3日公開予定

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