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奈良県の社労士・行政書士 大和侍 の 徒然日記

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Profile


大和侍( 葛城総研 藩士 )

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葛城総研コンサルティングは、奈良県や大阪府を中心に活動する社会保険労務士、行政書士事務所として平成15年9月1日に開業しました。

当事務所は奈良県の中央部に位置する近鉄橿原神宮前駅の東出口から徒歩3分のところにあります。
主な業務としては、個人創業や会社設立などの起業支援、就業規則作成や助成金コンサルティングを始め、給与計算事務や記帳代行などのアウトソーシング業務を行っています。
近年は、増え続ける労働問題に対してのコンサルティング、問題解決に尽力しています。
また障害年金に対するニーズも高いことから、障害年金サポートセンター奈良を立ち上げ、奈良県内の皆様に貢献できるよう頑張っています。

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2011/11/13
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カテゴリ:カテゴリ未分類
(当事務所の副所長まっちゃんの所見)


心の健康づくり


島田経営労務事務所  松田 佳代
(メンタルケアカウンセラー/キャリアカウンセラー)


ストレス社会とよばれて久しい昨今、労災請求についても精神障害(心の健康問題)請求件数が一直線上に急増し過去最多を記録し続けており、多くの企業でもメンタルヘルスに取り組む必要性、重要性が高まっています。職場のメンタルヘルスは、CSR(企業の社会的責任)の推進、安全配慮義務の履行、人事労務管理の視点からの人的資源の活性化、労働生産性の維持、向上のためにも重要といわれています。

1)企業の社会的責任(CSR)
 厚生労働省では「労働におけるCSRのあり方に関する研究会」を2004 年6月に発足させ、企業はその利害関係者である労働者の心身両面の健康を確保し安心して働ける環境の整備を図る必要があるとし、さらに2008年には「労働に関するCSR推進研究会報告書」が出され、改めて労働CSR の意義が検討されるなど、今日では従業員の健康管理に関する問題はCSRの重要な構成要因となっています。

2)企業の安全配慮義務
平成20年3月に施行された労働契約法第5条、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と、使用者の労働者に対する安全配慮義務(健康配慮義務)が明文化されました。これにより、行政上の刑事罰のみならず、民事上の損害賠償を問われる可能性がさらに高まり、実際に企業に多額の損害賠償を命じる判例が多数存在します。民事訴訟に発展すると、高額な損害賠償による財務的なリスクに加え、企業イメージ、顧客からの信頼、企業内モラールの低落など、甚大な損失を被ることになります。メンタルヘルス対策は、福利厚生の一環だけでなく、企業のリスクマネジメントとして真剣に取り組まざるを得ない状況になってきています。

3)人事労務管理の視点からの人的資源の活性化
 適切なメンタルヘルス対策を行うことで、労働者のメンタルヘルスが向上し、従業員が安心して労務を提供でき、業務への満足感、職場への忠誠心が高まり、その結果、企業の活性化が期待されます。また、メンタルヘルスの状態は、キャリア発達の状態や展望と密接に関係しています。キャリア発達とは昇進、昇格などの人事、あるいは特定の知識や資格取得を通しての上昇志向ではありません。ある年齢や地位、立場に期待される課題(発達課題)を達成し、発達させることで獲得する心理社会的成熟と適応能力を言います。
このキャリア発達の未成熟度が主に下記のストレス反応を起こしやすいと考えらています。

・職業的ストレス反応:仕事への嫌悪感や退屈観、興味ややりがい観の喪失など
・心理的ストレス反応:憂うつ感、不安感など心理的不安定
・対人的ストレス反応:主に職場の上司、同僚などのへの過度の依存による人間関係不良
・身体的ストレス反応:風邪、頭痛、胃痛、不眠、脱力感等の健康上の問題

これらのストレス反応対処にキャリア発達支援が寄与すると考えられています。
また、メンタルヘルス教育研修は従業員のセルフケアだけではありません。ラインケアとしての管理監督者への教育研修も重要です。一口に管理監督者といっても、職位は様々ですので、階層に応じて、理解していただきたい内容も異なります。ですので、管理監督者研修も階層別に数回にわたって行うことが望ましいと言われています。例えば、取締役には企業責任の内容を中心に、中間管理職には事例やロールプレイングを中心に、新任管理職には管理監督者自身のケアを中心にという具合です。
これらのキャリア発達支援、教育研修の実施には事業場内産業保健スタッフ、メンタルヘルス推進担当者の役割が大変重要と考えます。事業場内産業保健スタッフについては、新メンタル指針の中で、人事労務管理スタッフがその一員として位置づけられています。それは心の健康が職場配置、人事異動、職場の組織などの人事労務管理と密接に関係する為です。しかしながら、人事権等を持つ総務部長、人事部長がメンタルヘルス推進担当者として産業医との間で、従業員のすべての情報を共有すること、従業員に対しての直接の窓口となることは従業員に見えない心理的圧迫を与える可能性が懸念されます。このことから可能であれば、メンタルヘルス推進担当者には衛生管理者等が望ましいと考えます。

4)労働生産性の維持、向上
 WHOによる「各種疾病による経済的損失」の報告では、2030年にはうつ病が世界で最も経済的損失をもたらす疾病になると予想しており、うつ病はもはや個人の問題ではなく、社会全体の問題となっています。具体的に企業として経済的、生産的損失を考えてみます。例えば企業で一人、心の健康問題で長期療養を余儀なくされたとします。心の健康問題での平均療養休業期間は5ヶ月間と言われています。心の健康問題はある日突然発症するものではなく、多くの場合、心身の疲労から集中力や判断力が低下し、次第に職務遂行力が低下していきます。また、復職後もすぐには元の仕事を通常通りこなすことはできません。したがって、この療養開始前、復職後のリハビリ期は通常の半分程度のパフォーマンスとし、それぞれ3ヶ月間の期間とすると、

療養休業期間5ヶ月 + 療養開始前3ヶ月 × 0.5 + リハビリ期3ヶ月 × 0.5 = 8ヶ月分
の損失となります。
企業にとって従業員は、その根幹をなす大切な経営資源であり、適切なメンタルヘルス対策を行うことで前述のような経済的、生産的損失を免れ、従業員のモラールの向上、企業活性化、同時に企業価値の向上にも影響し、さらなる労働生産性の維持、向上につながります。


 この「心の健康づくり計画」に基づくメンタルヘルス対策は、すぐに効果が出るものではありませんので、継続性をもって取り組むことが大切です。しかし、同じ施策ばかりを続けていくのも効果的ではないと考えます。なぜなら職場の状況は刻一刻と動いているからです。その動きに合った効果的で継続性のある施策にしていくには、PDCAサイクルを実践することが不可欠です。しかしこのPDCAサイクルを継続させるためには経営層の理解がなければ解決できないものも多くあります。経営層に取り組みの強い意志があることが何より大切な要因です。企業において何らかの活動を行う場合には、その活動の意義が明確に位置づけられたうえで、組織のトップの方針のもとに活動が展開されることが、推進の上で重要となります。メンタルヘルス対策においても経営層がンタルヘルスケアを積極的に推進していくことを表明すること、メンタルヘルスケアを進めていく最初の原動力には、トップダウンによる大きなパワーが何よりも重要であると考えます。






Last updated  2011/11/13 12:23:22 PM



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