カテゴリ:近代
80年前、独ソ不可侵条約によってファシズム勢力と社会主義勢力が手を結び、ドイツのポーランド侵攻によってファシズム勢力と帝国主義勢力の戦いの幕が切って落とされた。戦いは1941年のドイツによるソ連侵攻と日本による真珠湾攻撃によって帝国主義&社会主義連合のファシズムに対する戦争に戦線が変化した。1945年のファシズム勢力完全崩壊を待つまでもなく、1943年には更に巨大な戦線が用意されていることが予見されていた。
近時の世界を動す力のあるものは米と露である。(1939/11/20) ここで英、独を挙げずに冷戦の主人公となる米ソ2大超大国を挙げているのは流石だ。とはいえ、冷静に考えれば当然の結論ともいえる。冷戦の前提条件は大戦前から整っていた。 エール大学のニコラス・スパイクマン教授は、真珠湾の攻撃直後に出版した『世界政治におけるアメリカの戦略=アメリカと勢力均衡』(America's Strategy in World Politics : The United States and the Balance of Power)と題する著書のなかで「ドイツと日本を抹殺することは、ヨーロッパ大陸をソ連の支配にまかすことになるだろう」といい、「ウラル山脈から北海までのソ連は、北海からウラルにひろがるドイツにくらべて、大きな改善とはなりえない」と述べている。 現在も自由主義勢力、ネオファシズム勢力(米)、ツァーリズム勢力(中、ソ)の対峙が続いているが、戦線は変化している。最大の敵は最早ネオファシズムではない。ましてやツァーリズムでもない。最大の敵は吾々人類全体であり、その敵の攻撃に晒されているのも吾々人類全体である。吾々は自滅の道を歩んでいる。台風19号は自然災害ではなく人工災害だ。今後毎年のように19号のような台風が日本列島を襲う。 国連気候行動サミットで演説したトゥンベリさんに対するトランプ氏、プーチン氏の論評がこの戦線の変化を象徴している。 「明るく素晴らしい未来を楽しみにしているとても幸せな少女のようだ」 吾々大人たちが環境破壊のツケを残し、若者の明るく素晴らしい未来を奪っている。そのために彼女が怒り、不幸のどん底にいるということが理解できていない。 「現代の世界が複雑で多様であることを誰もグレタに教えていない」 残念ながらプーチン氏は世界が複雑で多様であるために、世界規模で人類が環境破壊の被害を被りつつあるという単純で重要なことが見えていない。世界の政治家、そして大人たちは未だ脅威を正しく認識できていない。 さてと、80年前に戻るか。 ▷段々と用紙が統制になっていきます。本誌もこれ以上厚くすることは出来なくなりましたので、来月号から一層緊張し無駄を省いていくつもりです。 《昭和14(1939)年》十一月十四日。くもりて暗し。正午ちかく寒雨降り初めしころ炭屋の主人来り炭品切れになる虞れあり。永年の御得意先故品切にならぬ中土釜一俵だけ持って参りましたと言ふ。〔以下一行弱切取。四字抹消〕戦争の禍害いよいよ身辺に迫り来れり〔以上行間補〕。 物資は欠乏し、国民は倹約を強いられた。現代の戦線も、化石燃料をなるべく使わず、車ではなく自転車で出掛け、生分解されないものを買わない倹約が求められる。 「ソ連撃つべし」ということ以外を言ったら誰をつかまえても国賊のように罵った連中が、日ソ協定が出来たといって悦んでいるからおかしなものである。ソ連を軽侮することのみを国民に吹き込んだ輩が、今となってソ連の機械化部隊は侮り難いなどというとは無責任も甚だしい。 後世の歴史家は、現代の日本をどんな風に批評するだろうか。現在、飛ぶ鳥を落とすような威勢のいい人間が、実は日本の国を食物にした大悪党であったり、「太陽は地球の周囲を回転す」というような口あたりのいいことを平気で言えた人間だけが出世した不思議な時代であった。と国定教科書に書かれるかも知れない。 昨日まで敵であったソ連が敵でなくなると、ソ連に対する言動を180度変える人間。昨日まで天皇は現人神だといって、軍国主義的教育をしてきた教師が敗戦を迎えて180度言動が変わったという話。いつの時代も、自分で考えずに尻馬に乗るだけの人間は少なくない。よく言えば適応力があるということになるか。しかし、今度の闘いはできるだけ早く、できるだけ多くの人が危機を認識し、生活を変えるということである。先頭に立つべきではないだろうか。 5年もすれば、環境問題が最大の脅威であることが、いやでも皆に認識されるようになる。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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