芥子と杜若
朱い花 緑の野原 青い空 けしの花びら きみのくちびるケシの花がきれいだったので、「歌わねば」と思い詠んでしまいました。 おぢさん的にはケシの朱から思い浮かぶのは、色白の若い女性でした。 おぢさんの拙い歌の後は萬葉集からケシの歌を選んでお口直しをしてもらわねば。「あれ、ケシって帰化植物かな?いつ頃来たんだ」と思い、とりあえず検索したが案の定ヒットなし。そういえば昔は見なかった気がする。野によく咲いているケシはナガミヒナゲシで1960年代から広まったらしい。仕方ないので、この季節に何かいい花咲いていないかなと考えてみると、杜若(かきつばた)が近所に咲いていたのを思い出した。杜若を検索すると7首がヒットした。そこから二首。加吉都播多 衣尓須里都氣 麻須良雄乃 服曽比猟須流 月者伎尓家里かきつばた衣(きぬ)に摺り付け大夫(ますらを)の着襲(きそ)ひ狩する月は来にけりかきつばたの色を摺り染めにして大夫たちが着飾って狩りをする月がやって来た。 今は狩の季節なんですね。確かに、この季節に馬を駆って獲物を追うなんて気持ち良さそうです。 吾耳哉 如是戀為良武 垣津旗 丹頬合妹者 如何将有我れのみやかく恋すらむかきつはた丹(に)つらふ妹(いも)はいかにかあるらむわたしばかりがこれほどまでに恋い慕っているのに、かきつばたのように照り映えるあなたはどうしているのでしょうか。片思いばかりしていた、もてないおぢさんとしては吾がことのようです。。。まあ遠い昔の話です。