憎んでいたのは、あの頃の、無知だった自分自身。
「久し振りだね、ナナリー、コーネリアも」「・・・兄上、どういうつもりなのです、あのようなものを宮殿に招き入れるなど」「旅をしていたそうだね、コーネリア、疲れているんじゃないかい?」「皇帝陛下、貴方はあのものにだまされているのです」「ナナリーもカンボジアで休みはよくとれたかな?」「オデッッセウスお兄様、あのものはユーフェミア姉様やクロヴィス兄様を殺したんですよ!!」「・・・コーネリア、ナナリー、君たちにルルーシュを責める権利はあるのかな?自分で背負った総督の地位さえ放り出し、ルルーシュの気持ちを無視して、押し付けてきた君たちに。ユーフェミアもクロヴィスも死ぬのは当然だろう、神聖ブリタニア帝国の名前を穢したのだから」信じられないといった表情だ。彼女達からしたら、正気の沙汰ではない。ナナリーも信じられないといった表情をしている。「本気でイってラシャル野ですか?違いますよね?オデュッセウスお兄様」ナナリーの声が震えている。「もう一度言うよ、クロヴィスもユーフェミアもシンで当然だと。クロヴィスは結局周りのものに利用された人形にしかなれず、その結果、黒の騎士団を生み出すきっかけになった。ユーフェミアはコーネリア、君も知っているだろう。自分の権限の意味を理解せず、国是に逆らい、あの惨事を起こした」「兄上、ですがクロヴィスもユーフェミアもルルーシュのギアスに・・・・」ちろりとオデュッセウスがコーネリアを見る。その目にコーネリアはぎくりとなった。「君が忍び込んだ中華連邦の施設は私たちの叔父上、つまり父上の兄が持っていたギアス教団というもので、ブリタニアの暗殺者を育成する組織だったそうだよ」「!?」ナナリーとコーネリアは耳を疑った。「つまりは、父上はギアスという悪魔の力を国政の為に利用してきたことになるね。他国を攻めたのも、不老不死のためだとか・・・・さて、コーネリア、罪はどこにあるんだろうね?父上?それとも顔も知らない叔父上?それとも、ルルーシュか?違うね、神聖ブリタニア帝国そのものだ」