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なりぽん@厭離庵

ほんの一瞬の永遠

      

     ほんの一瞬の永遠


一体僕は何を買い求めて
外に出たときから
すっかり道に迷ってしまったのだろう
夢の中ではあれほどはっきり
現実のものであった筈なのに
それを買おうと思って外に出たら
一体それがなんであるのか
どんな形でどんな色で…
みんな忘れてしまった

僕は家に戻って
ベッドの上で無理矢理
夢でも見て
そいつを思い出そうかなとも思った
ところが一体どうしたと言うのだ
今鍵を掛けたばかりのドアが
あの非人間的な光沢を持つアルミのドアが
まるで幼児への慈愛に満ちた
白いペンキの木の戸に変わったのだ

ほんの一瞬の永遠の出来事だ
ほんの一瞬の永遠というのは
どんな一瞬よりも一瞬で、
もっと言えば
どんな永遠よりも永遠なのだ
それは午前零時を境界にして
一寸の余裕も無く
昨日から今日になる様な一瞬
或いは
ヒトがやっと人間になるのに費やした様な
永遠

兎に角こういう風にして
何かを買おうと思って外に出たまま
それが何であるか思い出せないまま
すっかり迷い込んでしまっている




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