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なりぽん@厭離庵

愁殺の夜



     愁殺の夜


それぞれの夜に
休みなき姿の寒々し
ひとことも声たてぬ我に
突然と憂歌響きわたり
かたわらに坐す人もなければ
惑う心も唯歌の中に浸みいる

ゆるく自転を続ける虚偽なる球体が
不鮮明なる光の洗礼を受ける前に
鉄の燭台に火を灯さん

夜の悲しみの中
息をつめて
鈍き光を放つ燭台を凝視するは
泪の足音を怖るる我のみぞ

自然光をのぞんではならぬ
朝雨は我が為に降り
濡れることを辞してはならぬ
我は愁殺の夜尽きぬ
寒士なれば
人生得意ならず




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