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なりぽん@厭離庵

凝視


     
凝視


どんなに孤独であっても
君とは他人でいたい

君と呼べる程認知しているのなら
他人とは言えないが
君は
沼沢尽きない古代から
ピテカントロプスが踏みしめた
そこに立っている
ずっとだ

昨日の夜の犬猫(どしゃ)降りの中でも
君はそこに立って
じっとしていた
君は
一度医者(ドクトル)に診て貰うがよい
満足な装置と
錆びてないメスがあったら
是非胸を切開してくれるよう
医者(ドクトル)に頼むが良い

加えて
「麻酔など要らない」と
告げるが良い
ピテカントロプス ホモサピエンスを
経てきた君に
そんなものは一滴のスピリッツにも
劣るものだ

意識はあるのだから
君は自分の眼で
そのオペを見るが良い
先ず気づくのは
スクランブルドエッグのような脂肪
朝食にそれを食べることが
君にできるだろうか
「そんなもの」とは言えない筈だ
朝食という存在よりは
遥かに近い肌の下に
君は棲ませているのだから

君とそのスクランブルドエッグとの関係は
君が卵と言うものを認める以前に生まれていたのだ
「オペ」という響きに
或る種の優越性を持った手捌きで
メスを進めるドクトル

ほら
やっとやって来た
これが君に見て欲しかったものだ
眼を見開くんだ
赤黒いその腐乱した
『自由』と言う潰瘍を
凝視するんだ
大脳までそれが転移した君が
救われるためには
凝視・凝視・凝視




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