【この空は生まれたての青】

2020/04/04(土)10:30

【おうちで楽しむ展覧会 ~ その2】

おうちでアート(12)

本日は、昨年『2019現水春季展』の受賞作品をいくつかご紹介いたします。 その前に水墨画について、少しお話ししますね。 水墨画は墨1色で描かれますが、 世間一般に言うモノクロの絵画ではありません。 煤と膠で作られた墨の色は、ただの黒ではありません。 水墨画で使用される少し青みがかった『青墨』は松煙墨と言います。 その主原料は、松を焚いて取れる煤です。 (ちなみに書道で主に使われるのは油煙墨で、菜種油や、鉱物油から取られます) 松の煤は大小の粒子から成っていて、 それぞれの粒子が受ける光は、均一に反射しないため、 見る角度によって色や、深みや、奥行きを感じることができます。 濃墨から薄墨までのやわらかなグラデーションの中に、無限の広がりを感じることができるのです。 中国には古くから『墨に五彩あり』という言葉がありますが、 それにはそうした科学的な裏付けもあったのです。 …さて本題に戻って、『おうちで展覧会2019現水春季展』ですが 画像は作品集からスキャンしたものです。 作品を印刷物にするにあたって、まず写真を撮ります。 その写真をモノクロデータに変換して、 その後オフセット印刷のドットでグラデーションが再現されるため 残念ですが、実際の作品の深みは伝わりません。 しかし、水墨画=山水画という古いイメージは払拭できると思います。 モチーフや表現が意外に自由なんだな、と思っていただけると幸いです。 2019現水春季展大賞 「MOTOWN」八木良訓 2019現水春季展準大賞 「猫」名嘉真朝久 2019現水春季展準大賞 「東風」毛利鋭子 ※秋に東京都美術館で開催される『現水展』10/7(水)~10/14(水)は全国公募です。 応募作品は、水墨画の技法に絞ったものではありません。 規定サイズで、主に墨を使っている平面作品であれば、どなたでも参加いただけます。 応募要項をご希望の方は、ぜひ事務局までお気軽にご連絡くださいませ。 応募締切は例年の場合7月です。 現水ホームページ http://www.sumiart.jp/html/gensuiten.html #樋口鳳香 #墨美神 #水墨画 #現代水墨画協会 #現水展 #全国公募 #応募要項 #stayathome #おうちでアート

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