葛西臨海水族園
訪れたのはこれで3度目になろうか.なのに、新鮮な気持ちで建物を見ることができた.十数年前の建物だが、古さとか新しさとか感じない、それを越えた存在感がある.こういった娯楽施設によくあるように、流行や、目を引くデザインにとらわれたりせずに、「ケンチクが在る」といった感じ.その空間の演出は、有意義な贅沢、文化的価値になっている.洗練されたディテールからは、パワーを感じ圧倒された.そしてなによりも、観覧を気持ちよく楽しめる.エントランスアプローチは、滝や丘、樹木によって外界の視線をきり、建物内に至るまで完全にハレの場が演出されている.建物内から望める外部も同じように、独自の場が設けられていた.マグロの回遊水槽のパノラマは絵画のよう.中に何もない無機質な水槽をバックに、マグロのシルバー色、そのシンプルな魚影の群れは、一枚の日本画のように見える.水槽を眺める人々はシルエットとなりその効果を引き立てている.新年早々いい刺激を受けた.