カテゴリ:★★☆な本
その夏、僕らは大人でも子供でもなかった。芥川賞候補作「さよならアメリカ」の新鋭が描く、みずみずしく、もどかしい青春物語。
樋口氏の本は初めて手に取りました。 冒頭部分を読んですぐ、島本理生さんの「ナラタージュ」(2005.04.18読了日記)を思い出しました。 「ナラタージュ」もそうですが、主人公の回想部分がメインなお話です。 少年時代のちょっと甘酸っぱいような恋、そして友情。 きっと誰もが共感できるような、あの頃、自分はまだまだ子供だったなぁ・・・という回想録です。 親友「ハジメ」と幼馴染の少女「入江さん」そして「ボク」。 物語自体はそんなに斬新な内容ではないのですが、自分の気持ちが自分でもよくわからない、戸惑いやもどかしさといったものが、淡々とした語り口でありながら、しっかりと胸に届きます。 ただ、あまりにも「わからない、本当にわからないんだ」という主人公に、こっちまで、えぇ?本当にわかんないの?みたいな、結局、本当はどうだったわけ??といった消化不良な読後感があります・・・・。 主人公の優柔不断さにイライラしてしまうというか。 そういうのも全てひっくるめて「子供だった自分」を表している、なんとなくノスタルジックな印象の本でした。 芥川賞候補作となった「さよならアメリカ」はまだ未読なので、今度はそちらを読んでみたいと思います 大人ドロップ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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