奥薗壽子さん
図書館や、本屋さんで見つけると、どうしても手に取って、読んでしまう奥薗壽子さんのお料理の本。奥薗壽子のほのぼのほどほど「家庭料理の底力」今どきのお料理の本は、おしゃれで、見るのは好きなんだけれど、自分の家庭には、ない空気に、ちょっと気後れする時があります。家族に作る料理って、我が家の場合、食卓に並ぶまでの台所の様子なんかは、絶対、人にみせたくない。家を建て替えたとき、台所は、対面にしてもらった。料理をしている所は、見られるのが嫌だった。お腹をすかして待っている子供がいると、料理器具をかたづけながらと言うような事はできなくて、あっちこっちごてごてで、スープの汁がシンクにこぼれていたり、青菜をしぼったのが、ざるの中に残っていたままだったり。奥薗さんは、テレビで見ていても、すごく手際よく料理されている。後片付けがしんどいのがよく解っておられるから、後片付けが、楽なように作るお料理の仕方もよく本に載っている。それでも、この人のお料理から私が思う家庭でのお料理のどたばたした台所が見える。おしゃれなお料理本を見ていて、ため息をついた後は、奥薗さんのお料理の本を見ると、本の中から漂う生活臭に、ほっとする。昨日の晩ご飯。母に、ボーナスが出たのでお小遣いを渡しに、大阪まで出かけていた。妹の家の近くにできた、スーパーでお弁当を買って帰る。私は、雑穀いりご飯弁当。後は、天丼。こちらのスーパーでは、こう言う雑穀とか天丼には、えび、ほたて、など、これで500円弱。我が家の近くにも同じスーパーがあるけれど、こう言うお弁当は売っていない。デパートならあるのだけれど。今日の晩ご飯。青菜のお浸し(ほうれん草、菊菜)ヒヨコマメとキャベツの炒め物(玉ねぎ、ウィンナー)大根ともちきびのお汁(にんじん、ねぎ、しょうが、しめじ)大根のお汁のお出しは、昆布だけ。しょうがとねぎをオリーブオイルで炒めた物を途中でがばっと入れます。お塩だけの味付け、とてもおいしいです。今までご飯を炊くとき、お米に、一割ほどのおばこ麦を入れてましたが、最近はそれに、少しだけ黒米入れたり、もちきびを入れたりして炊くのが好きです。どちらも、もちもちの炊き上がりになり、さめても、もちもちしておいしいです。奥薗さんの今は高校生の息子さんが、まだ幼稚園ぐらいの時の、料理本を持っています。お料理を仕事にするために、離婚までして、子供二人連れて、東京に出てきて、ここまで来られた事は、今までに出された奥薗さんの本で読んでいて知っていました。この本に、息子さんが、中学生の頃にまったく、奥薗さんのお料理を食べなくなった事が書いてありました。奥薗さんは、自分の事を全部否定した息子さんを受け入れる事にして、息子さんの所に来た友達に、ごはんを食べさせる事にしたそうです。お友達がおいしいと、奥薗さんに心を開き、仲間として受け入れられると、息子さんも、友達と一緒に、ご飯を食べるようになったそうです。母親が仕事のために家を開け、子供たちだけでご飯を食べることは、奥薗さんが思うより、寂しいことだったのではないか。子供は仕事を理解してくれていると思っていたけれど、何かいつも足りないものがあった。それは、一緒に食べるということだったのではないかと言う事に気づかれたそうです。この事に気づいてからは、できる限り、一緒に食べることを考えられたそうです。私も自分が育った家の事を思い出すとき、みんなで囲んだ食卓の事が一番楽しい思い出と、心に残っています。母は、手際の悪い人だったので、私たちが食べている間も、ずっと後片付けをしている時が多かったです。その時、私と妹達は、「お母さん、早く食べよう」と、声をかけていたのをこの本を読んで思い出しました。そして、このブログの一番初めに書いてる楽しかった食卓を思い出してくれたらいいなぁが、私がお料理を作る時の原点です。