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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8782)
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こんなことがあった
母親が 桜型に切り抜いた紙で 破れを塞いだ障子に 西日が差し込んで 燃え上がるように 輝きわたった またこんなことがあった 暗い土間から 正午の光に 白く燃え上がる 満開の桜の木を見ていた またいつか こんな風に 誰かが 桜を見るだろう ------------------------------------------------------ 春(その4) 春は ただよう白いもやの中に 黄色の細胞が増え続け 形を変えて 流れ続け 桜はぼうぼうと かたち無く 浮かび上がり 若草がやわらかく たなびき 獣のように ゆっくりと地を駆け すべてが流転して 収拾がつかないように 想はれる けれど ひとがそれを 春 と ひとつの名で 呼ぶ ことができるのは なぜなのだろう ------------------------------------------------------ 春(その5) ライトアップされた満開の夜桜は どこか 厚く化粧をした 美しい女を思わせ その穢れた美しさが 夜の闇をいっそう暗いと想わせる 赤いぼんぼりが 点々とぶら下がっている 風に揺れ 大きくなったり小さくなったりにじんだりする 赤い光 人は邪悪な動物だと ヒステリックに そう想う 春の夜 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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