気になる。かあさんの入院費用。

2019.01.02

またまたかあさんの過去のお話に戻り、12月21日のお話の続きです。

そんなわけで、この世にしがみついたかあさんの入院は、少し長引きそう。

夫も私も、入院費用が気になってきていた。

なんせかあさん、デラックスな個室に入っている。

最初この病院にかあさんが運ばれた時、お部屋の希望を聞かれて、大部屋でいいです！と夫は言ったという。

だけど、空いてなかったのか、運ばれたのはこの個室だった。

病院自体が移設して新しくなったところだから、とにかくきれい。
お部屋にはトイレもあった。

けっこう高くつきそう。

きょうあしたの命って聞いてたから、部屋代は気にしてなかったし、それどころじゃなかった。

だけど、ここに来て気になり出す。

ともかく、大部屋希望です。
大部屋が空き次第、お願いします。
と、ナースステーションで再度訴える。

お金がザクザクあるわけじゃない。

部屋代は幾らくらいになる？

毎日頭の中で計算しちゃうのだった。

葬式の費用だってそのうち必要になる。

そう言えばかあさん、
葬式代を引き出しに入れてるから。
と言ったことがあった。

ほんまかいな。
とその時は思った。

お金を残そうなんて考えが少しもないかあさんだったから。

だけどその後、かあさんがお世話になってたヘルパーさんから電話があった。

かあさんが保険証を探してるので、一緒にさがしたけど見つからなかった。

だけど、引き出しの中からお金が入った封筒が出てきました。
とのことだった。

それって、かあさんが残しておくつもりの葬式費用だったのかな？

かあさんが希望する盛大な葬式ができる金額ではないだろうし、それほど気にせず放っておいた。

その後、しばらくたって、台所の引き出しはチェックしたけど、そこにはもうお金はなかった。

かあさんはもうすでに認知症だったから、何のためのお金かなんて忘れてしまって使ってしまったんだろう。
そう思った。

だけど、もしかしたら、まだどこかにお金を残してるのでは？

ほんのちょっとの希望を持って、かあさんの住んでた家に向かった。