９１歳、かあさんの夏

ある日、かあさんの元を訪ねると、いつもの個室のベッドにはいなかった。
車椅子に座って、広いスペースの大きなテーブルで、ご飯を食べていた。

ひゃあ！
いつの間にか、ベッドを脱出してるやん。

向かいと隣には、他のお部屋に入院してるおばあさんたちが座っていた。

何も言わず、かあさん、黙々と食べている。

完食した。

その後、お部屋にちょっと若い男性がやって来た。
白いシャツと白いズボン。

リハビリを担当します。
よろしくお願いします。
と言う。

ええっ！？

かあさん、
もう歩けない。酸素吸入も必要。
と聞いたから、もう寝たきりになると思ってたのに、リハビリですと！？

で、履きやすい靴を持ってきてください。
と、そのリハビリ担当の人は私たち家族に言った。

かあさんを、歩かせるつもり！？
かあさん、死にかけてると思ってたのに。



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