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カテゴリ:認知症 介護
墓参り当日。
クルマで1時間半。 どんどん田舎へ。 墓地へと続く、坂の下に到着。 鬱蒼とした森の中に入って行く。 最初はわりと道もよくて歩きやすい。 だけど、だんだん道は荒れて来て… しまいには、こんなにデコボコ。 ワイルド〜 こんな坂道をひたすら上る。 夫はペットボトル2リットル×3本の水とお花を持って。 私は大量のシキミの枝を抱えて。 そして、お墓に到着。 夫は久しぶりに先祖代々のお墓を洗ってきれいにした。 お線香を供え、お花とシキミを大盤振る舞い。 ほとんどは見栄だな。 だって、他のお家のお墓にはすでにきれいなお花が供えられている。 そして夫は、お父さんとお婆さんのお墓を探す。 どこやったかな… これかな? 婆さんのはこっちやったかな? 毎年これだ。 多分これやで。 いや、これかな。 だって、 それはほとんど土に埋まった石が少々土の上に顔を出してるくらいの物。 多分これとあれやと思うけど… しゃあないな、ここにも念のために供えとこ。 と言って、3か所にシキミの枝とお線香を置く。 最初の頃はびっくりした。 大切なお父さんやおばあさんの墓なのに、そんなぞんざいなことでいいの? 以前は毎年かあさんも一緒に来てたな。 でも、来る度にこれだ。 多分こことあそこや。 と言う場所も。 念のためにここにも。 と言う場所も。 もしかしたら全部ハズレかもね。 だって、毎年これだ。 次の年に確かなことを思い出す訳がない。 他にも村の人が来てた。 おばあさんと息子夫婦だろうか、親子で墓参りに来てた。 そのおばあさんが私の夫に声をかけた。 あんた、間違ってたらごめんやで。 あそこのうちの子やったな? ……そして、夫の名前も覚えてたおばあさん。 すごいね。 村では有名やったんやね。 と夫に言ったら、 そうや。 男前さんやったからな。 って、ほんまかいな。 とにかく、小さな村なんだから。 夫の方は、 あのおばあさん、誰やったかな。 もう年いってばあさんなってしもたら、わからんわな。 と言う。 そのおばあさんとその息子たちも… うちのじいさんの墓、どこやったかいな。 もうわからんな。 と言ってたよね。 多分、これやろ。 ってね。 そんなもんかな。 それでいいよね。 こんな険しい坂道を上がって、ここまで参りに来ただけで。 夫は若い頃、何度も遺体を埋めるためにここで土を掘ったとのこと。 もうずいぶん昔からのお墓だから、掘ったら誰のかわからない骨が出てくるって。 そんなふうに、土の下ではご先祖様たちが混在だ。 あの世で賑やかにやってるよね。 そして、お盆には帰って来て、お墓参りの様子をどこからか見て笑ってるのかも。 さぁ、帰ろう。 坂道を下って。 とにかく、大仕事が終わったよ。 やれやれ。 にほんブログ村 にほんブログ村 人気ブログランキングへ 面白い小説 あの世からのメール【電子書籍】[ 鳥越 敦司 ] 【中古】 あの世 この世 新潮文庫/瀬戸内寂聴,玄侑宗久【著】 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.08.14 11:03:21
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