至福のひとときの邪魔をする、夫は鬼です。

2020.05.23

新型コロナのせいで家にいる時間が多くなり、テレビを見る時間も多くなった。

私はドラマが好き。
楽しみに見てる。

だけど、私の夫はドラマが大嫌いなのだ。
だからずっと長いあいだ私はドラマを見なかった。
うちにはテレビが一つしかなかったから。
しかも我が家は狭かった。
だから、家に夫がいる時はドラマは見られなかった。
そして私が家にいる時、必ず夫も家にいた。

もし私がドラマを見ようものなら、夫はそばに寄って来て言うのだ。

何見てるんや。
ようこんなしょうもない作り話見るなあ。
あ〜　しんきくさ。

絶対にそう言う。
何度も。
そばで言い続ける。

とてもゆっくり見ていられるものじゃない。
ドラマは連続なんだから、毎回この夫の嫌みを聞きながら見ることはできないし、第一夫は自分の好きな番組を見ようとする。

じゃあビデオに録ればと言うだろうけど、同じこと。
私が録画のドラマを見出すと、決まってそばに来て言う。

何見てるんや。
ようこんなくだらんもん見るな〜
あ〜　しんきくさ。

でも、今、夫と私はかあさんが住んでた2階建ての家にいるのだ。
テレビは1階と2階、1台ずつあるのだ。

で、私は夫が2階でテレビを見てるあいだ、1階でかあさんのものだったテレビを見てる。
好きなドラマを。

至福のひとときだ〜

どうかドラマが終わるまで夫が2階から降りて来ませんように。

しかし！
夫は降りて来た。
髪を洗うと言う。
夫はキッチンの流しで髪を洗うのだ。

何見とんねん。
何やそれ、また辛気くさいドラマ見とるわ。
しょうもな。
ようこんなつまらんもん見るなぁ

ほら、言い出した。
早く、髪洗って2階に戻ってほしい。
なんで私の至福のひとときの邪魔をする？

しかし、夫は髪洗った後、すぐそこで髪を乾かし始めた。

それも、恋愛ドラマのいいところ。
胸キュン場面だよ！

ドライヤーの音がうるさくて聞こえない！
なんでこんなにデリカシーがないの？
私なら邪魔しないように、バスルームの横の洗面台の所で乾かすのに。たとえ寒くても。

夫はドラマをくだらない物と思ってるから、邪魔しても平気なのだ。
すべて自分の価値観で物事を決める、自分の考え以外は絶対に認めない夫なのだ。

だけど、そんな夫に何も言えない私。

毎日、夫が2階から降りて来ないよう祈りながらドラマを見ている。

どうか、どうか、
私の至福のひとときを壊さないで。