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カテゴリ:認知症 介護
家の電話が鳴ると、いよいよかあさんが?と毎回頭をかすめる。 出てみると、やっぱり特養から。 やっぱり?! ともかく夫に替わる。 いつものように夫は、 お世話になってます。 すみません。 ありがとうございます。 ほんとにありがとうございます。 お世話おかけします。 すみません。 すみません。 と、何度も何度も何度も頭を下げながら言う。 電話を切った後、 で、何だって? と聞いたら… かあさんなあ、 ご飯食べてるらしいわ。 みんなと同じご飯、8割がた食べとるらしい。 ええっ? じゅうぶんやん! じゅうぶん普通やん。 じゅうぶん元気なん!? そうみたいや。 元通りやな。 気が抜けたみたいにそう言う夫。 ほとんど何も食べなくなり、水さえ飲もうとしないと聞いて、さすがに今回はあかんなと思った。 夫は看取りの説明を聞きに行った。 葬式のことも調べて、業者も決めていた。 拍子抜けしたみたい。 過去にも食欲が低下してそろそろかと覚悟したことはあった。 その度に予想を裏切って回復を遂げたかあさんだから、最初はまたそんなことかもなと思った。 でも、95才ともなると… それに今回は初めて看取りの説明に呼び出されたりしたし。 だけど、元々、ほぼ死んでたのに奇跡的に意識を取り戻し、驚異の回復を遂げたかあさんだ。 普通のばあさんとは違うのだ。 怪物だよ。 夫は妹夫婦に連絡した。 やっぱり。 と、妹夫婦は言った。 喪服を準備しながらも、 また何事もなかったように復活したりしてな。 と冗談のように言ってたのだ。 冗談じゃなかった。 まあ、確かに気は抜けた。 とりあえず、安心したってことだ。 にほんブログ村 にほんブログ村 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.04.16 17:26:43
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