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そして…、
ももっちの順番になりました。 目の前にいる山根さんの目をじっと見たとき 「昨日、行ったんやで。」 と、突然そう言われたんです。 「… ごめんなさい。…」 そうなんです。 深夜のおやすみ訪問 ![]() 5部屋ほど会えなかった人が居たらしいのですが ももっちもその一人でした。 「気づかへんかったん?」 「…はい。」 「そっか…。」 「でも、残念だったけど、仕方ないし それよりも今、とっても心が満たされていますから。」 「そっか。」 ここまで、話したとき ももっちは、体がとても熱くなって、唇が震えていました。 「楽しくて、幸せで、…。」 自分をコントロールできなくなりそうなくらい 言葉につまってしまいました。 山根さんのあたたかい手のぬくもりを感じながら 涙を必死にこらえて幸せな4日間のお礼を伝えました。 「また来よう。 きっと…。 必ず また来ようね。」 そう言ってくれたやさしさに笑顔でうなずき 私は、バスの方へと向かいました。 こんなこと今まで一度もなかったのに、 自分でもわからないくらい とても寂しい気持ちになって 胸がはりさけそうでした。 帰りたくない…。 出来ることなら、ずっと今であってほしい。 ずっとそう願っていました。 苦しい気持ちでした。 全員の挨拶が終わり、順番にバスに乗り込むと みなそれぞれにあふれる想いで、泣いていました。 その時、 山根さんがバスのそばまで来て みんなに手を振ってくれていましたが ももっちは、反対側に座って 出来るだけ見えないように小さくなっていました。 ![]() 車窓がゆっくりと移り変わっていましたが ももっちは、ぐしゃぐしゃの顔を窓につけ ぼんやりとこの4日間を思い返していました。 そういえば、MちゃんとやSさんに お別れの挨拶もしなかったことに気づいたのは しばらくたってからでした。 ふと我にかえった頃、 さっき手渡された封筒を開いてみたんです。 ![]() その中には、この長崎で過ごした想い出が ぎっしりとつまっていました。 ![]() 見たこともない表情をした自分が写っていました。 ![]() つい数日前にこの土地に到着して 自分がこんなに素直になれて リラックスして、今、こんな気持ちになってしまうなんて 全く想像すらしていませんでした。 たくさんの人のやさしさに触れ、 自分がいろんな意味で救われたことに感謝していました。 ![]() 空港に着いて、チェックインを済ませても 時間がかなりあったので、 ラウンジのプライベートスペースを確保したけど 自分じゃないくらい涙があふれて止まりませんでした。 ![]() 温かい紅茶を飲んで、落ち着いたのは 搭乗開始の直前でした。 大阪に帰る。 いつもの毎日が待っている。 それなのに、相反する心がここに居て どうすることも出来なかったのです。 ![]() 搭乗時間になり飛行機に乗りこみました。 私は、静かに窓の外を見ていたけれど 向かい側に座っていた乗務員の方が心配してくれたほど 赤くはれた鼻で不細工な顔は、 しばらくは誰にも変えられませんでした。 そしてTAKE OFF ![]() 空の上の雲を見ていて ようやく落ち着いた頃 陽はすっかり傾き、大阪伊丹に着く頃には 美しい夜景が広がっていました。 山根さん、またこんなプレゼントをくれたんだね。 一人っきりの夜間飛行 ![]() でも、それはとても幸せな世界へのいざないでした。 私にとって、二度目の長崎。 あの時の気持ちとは、まるっきり違う 大きなやさしさに包まれて、新たな発見ができた旅でした。 思いきって 行ってよかった。 今回の旅をプレゼントしてくれた すべての人に心からお礼を言いたいです。 本当にありがとう。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.30 22:55:21
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