人格形成
いま高校1年生の担任ですが、つくづく小学校の教育の重要性を感じます。 公立高校で教えていたころは、学習に関わりながら形成される人格の部分は、主に中学時代に形成されるのだろうと思っていましたが、私学に移り、中高と6年間担任をしてみると、どうもそれは小学校の頃に形成されるんだろうと思うようになりました。 進学校と言われる学校に来ている子でも、全く学ぶ姿勢ができていない子が結構います。 中学受験をする子どもたちの様子を見ていると、塾通いの日々が人格形成に少なからず影響しているように思います。 同じ歳の子と身の回りのことをして過ごす時間、勉強以外のことをじっくり考える時間、何かに追い立てられないで過ごすゆったりとした時間、つまり「その子が自由に扱える時間」が人を育てるのだと思います。 しかし、現実は、想像や創造する時間が取れず、勉強以外のことを考える時間がないのが現状です。 また、過度な期待や抑圧の理由や意味すらわからない子どもたちが、それらに耐えて行くこと自体にも無理があります。 これでは精神面が年齢に追いつかないだけでなく、子どもたちの精神が病んでしまいます。 そんな子を目の前で見てきました。 本校も進学校がゆえにより強くそうした問題を抱えているはずです。 今教育が見直されようとしていますが、特に小学校に重点を置き、教員の側が「ゆとり」を持って様々な教育活動に勤しめるように国も個人もしっかりと考えていくべきなのでしょうね。