12歳の少年が書いた量子力学の教科書
「12歳の少年が書いた量子力学の教科書」近藤龍一(ペレ出版)続きP152 「量子力学に出てくる物理量は、波動力学ではこのように演算子になるが、量子力学の物理量で表す演算子を、行列力学のエルミート行列からの類推でエルミート演算子という」この辺りは、ちょっと不親切かなと思う。中間書なら、やはり解析力学を間に挟んでみるとかした方がいいんじゃないかな。P181 ここから始まる「井戸型ポテンシャル」はこだわりを感じた。井戸型ポテンシャルの説明だけで5ページ割くという豪華さ(?)。でも大学院の入試にも頻出の「井戸型ポテンシャル」、これを読むとへーと思う人もいるだろう。P198 ハイゼンベルグ描像とシュレディンガー描像の違いについて。時間発展をオブザーバブルに入れるか状態に入れるか。Wikiによると相互作用描像(ディラック描像)というのもあるらしい。それは知らなかった。習ったっけ・・・?P222 スピンの説明のところで出てくるパウリ行列について、回転が行列指数関数になっているんだけど、これは不親切。この辺りから説明が雑になっている気がするよ。P248 ボーム解釈について。個人的には好きなんだけど、本書では「異端の量子力学」として紹介。ま、異端・・・なのかな?本書はこの後、相対論的量子力学、量子重力理論、量子コンピュータ、量子テレポーテーションと話が進んでいく。ただし、紹介レベル。うーん・・・(当たり前かもしれないけど)得るものは少なかった。でも、とにかく12歳というのだけは凄いと思う。敬意を表したいと思います。