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カテゴリ:伝統構法
東京・青梅市にある「古民家リラックスホーム」という民泊に2泊お世話になってきた。 素泊まりのみだが、格安な上、手ぶらで行っても全て揃っていて、すごくリーズナブル。 東青梅駅から徒歩10分、車でも新青梅街道沿いで、至極便利なところ。街のど真ん中に取り残された古民家。 伝統的な農家の間取り…田の字型なので、複数組が宿泊すると隣と襖一枚ってことになるが、 何よりも伝統的な日本家屋の開放的な造りの中、畳の上でゴロンと寝転がれば、何とも贅沢な気分!・・・実家に帰ったみたい。 管理人さんもとっても気さくで、いっぱいお話しを聞かせていただいた。 恐らく築六十~八十年ぐらいか。ガタツキなど一切なく、大変しっかりとした造り。 相続のため解体されようとしていたのを、管理人さんが宿泊施設に利用したとのこと。 こうでもして収益を上げていかないと、修復どころか維持もままならないのが、所有者の共通した悩みだろう。 その意味では、文化財でもなんでもなく維持保存のため公的な援助も何もない民有の古民家を残す取り組みとして、うまい例だと思う。 サッシは全てアルミに代えられているので風情は薄れるが、エアコンの効きは確実に良くなっている。 恐らく土壁だったのにクロスで上張りされているのが残念と言えば残念だが、真壁造りのままなので古びた柱の色と白い壁の対比で風情をうまく残している。 これを漆喰塗などで本格修復しようとすれば相当な費用がかかるだろうし、古民家の再利用を現実的に考えれば、やむを得ないのかもしれない。 真壁ではあるが、貫工法か筋交いの入った在来工法かは、判別できなかった。 拙宅も築四十数年、在来工法で、外壁はモルタル塗りの大壁だが、内壁は竹小舞に土塗の真壁である。 なので、室内側からだけでは貫工法かどうかは分かりにくいが、 この古民家は外壁も真壁で筋交いが見当たらないことから、貫工法ではないかと思われる。 ![]() 足元はコンクリート基礎だったが、床下を覗き込んでよく見てみると部屋の下は柄が並んでいて、向こう側が見渡せる。 元は石場建てだったものか・・・? 管理人さんの話しでは、この家は元は新青梅街道の造成用地に建っていたのを、新青梅街道脇の今の場所に曳いてきたんだとか! 曳いてきて新しい基礎に乗せるとき外周だけコンクリートにしたのか、 築七十年としても戦後の建築なので、石場建てから布基礎への過渡期だったのかもしれない。 曳家は、今ではどんな工法の建築物でも可能のようだが、そもそもは礎石の上に置いてあるだけの伝統構法の建築物だからこそ、日本で古来より発展した技術であろう。 アメリカやオーストラリアでは、家ごとトレーラーに載せて引越しするという例や、東南アジアでは洪水を避けて家ごと移動する高床家屋があるそうだが、 日本ならではの伝統的建築技術である曳家は、エコロジーの観点からも継承発展させていく必要があるだろう。 ローコスト住宅とか言って、外材の安普請で既製品で飾って、建てては壊す消費財として「買う」家ではなく、 思い入れのある家を「建て」て百年百五十年と受け継いでいく。 近くに移設するならそのまま曳いて行き、遠くなら完全にバラして元通り組み立てて移設できる伝統構法は、 国連開発計画(UNDP)の提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に叶った、まさに現代社会に求められる家づくりであろう。 【SDGs】http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html ともあれ、青梅に宿をお求めなら「古民家リラックスホーム」。 ぜひお勧めである! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月04日 22時10分56秒
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