カテゴリ:手刻み無垢材
今週の初め(1/27)、風雨のなか、また工房を尋ねました。 電話して行ったのに、着いてみるとシャッターが下りています。 あれ?・・・恐る恐る呼び掛けてみるとシャッターが開き始め、 中では最も若手(二十代!)の大工さんが鉋掛けの作業中。 そこには鏡面仕上げの檜の柱と、 きれいに包装紙で包まれた柱材が横たわっています。 その鉋屑を見てびっくり! おぼろ昆布と見紛うほどフワフワで透けています。 なるほど、シャッターが閉まっていたわけが分かりました。 雨風が吹き込んでは、台無しです。 そんな鉋仕上げをしたのが、息子より歳下のその大工さん! 我が棟梁も削ろう会の全国大会で入賞する腕前ですが、 こんな若手でもこの実力。恐るべし日伸建設。 そこに隣の工房から社長がやってきます。 「こんな綺麗に仕上げられたら、画鋲も刺されへんし困るわ!」と 冗談めかして言うと、 「アカンで! そんなん刺したら!!」とマジ顔。 それもそのはず。写真ではうまく撮れていませんが、 表面は照明を映してツルッツルに光り輝き、絹のような手触り。 近年の一般的な家は、和室の真壁の化粧柱でも、 機械鉋仕上げされたプレカット材か集成材の突板仕上げ。 匠の技の手鉋仕上げは、μ(㍈)単位で文字どおり桁違い。 集成材や乾燥機により強制的に乾燥させた材木に対し、 ここでは天然乾燥にこだわっています。 この乾燥という工程を一つとっても、仕上がりが全く異なるそうです。 機械乾燥だと木の中の油分まで失われ、 粘りがなく、ノミを入れても反発しない、スカスカの木材になってしまい、 鉋で仕上げても色艶の無い鈍い表面になってしまうんだとか。 社長に連れられて奥の別棟の工房へ。 そこでは建て方を3週間後に控え、 我が棟梁が手刻みの最後の追い込みです。 「さっきまで大黒柱を仮組みしてたのに・・・。」 おっと、残念。奥に戻されたところでした。 そうおいそれとは出してこられません。 そんな巨大な柱を、一旦は実際に組んでみて確認するんですね! 上の写真手前の平角材は、吉野檜の差鴨居。 奥の丸太は、飛騨高山の赤松の梁。 差鴨居に丸太梁が組まれる仕口が丸く刻まれています。 丸太を組む仕口加工は、角材同士を組む数倍の手間がかかるそうです。 そりゃあそうでしょう! 型を合わせるヒカリツケは、定規どおりにはいきません。 写真のように、図面と照合しながら手刻みしています。 でもその図面には、そんなに詳細は記載されていません。 よくこんな大雑把な図面で刻めるなぁと感心しきり。 そんな伏図も、既に設計段階でいただいていました。 普通なら間取り見取り図程度しかもらわないんでしょうけど、 私たちも木組み図を見てイメージをつくりながら、 たっぷり楽しませてもらいました。 まさに作り手と住まい手の協働による家づくり。 半年間に及んだ工房での手刻み作業もほぼ仕上げを残すのみとなり、
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最終更新日
2020年09月26日 08時04分13秒
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