カテゴリ:職人の技
「土壁上塗り①~漆喰…左官の工夫と技」9/25稿の続編・・・。 上塗り・・・改めて言うと、 土壁は竹小舞を下地に、荒壁/裏返し塗り、大直し/中塗り、上塗り/仕上げと、 それら詳細については過去稿にも掲載してありますが、その最終段階。 上塗りはほとんど漆喰で仕上げたんですが、 一部は漆喰を混ぜず壁土を塗って仕上げました。 さて、ここで問題です! どちらが漆喰で、どちらが壁土でしょう? 正解は、左が漆喰・・・できるだけ土色に近くなるよう壁土をかなり混ぜてあります。 どちらも細かい藁スサが混ぜてあり、同じような粗いタッチで仕上げてあるのです。 荒壁・壁土中塗りの期間が長く、それがすごく気持ちにしっくりきていたので、 そのままにしておいてもでもいいぐらいだったんですが、 居室用には壁土仕上げでは擦れると多少ポロポロ落ちるので、土壁風漆喰仕上げに。 先週初めの9/28(月)、先々週の2階の上塗りに続き、左官作業再開。 1階の上塗りに入っていきます。 上塗り前の中塗り段階では、チリ(柱の際)ジャクリ(堀込溝)が少し残っています。 そこに上塗りの厚み分あけてマスキングテープを貼っておきます。 柱の際の方は、チリジャクリに食い込ますように慎重に塗っていきます。 狭いところ、細かいところは、そこに合った鏝(コテ)を選びます。 こういう細かいところ☟は、漆喰仕上げの方が向いているかもしれません。 こんなにたくさんの鏝を使い分けます。 これでも左官さんが持って来ていた鏝の一部です。 電線が飛び出ていたり塗りにくいところも上手く塗り込めていきます。 南側に面しているLDKの方は、土をたくさん入れて色を濃い目に土っぽく、 北側の日光の射さない洗面・トイレ・階段側は、土の量を少なめに明るい色調に。 写真では、よく分かりませんね・・・。 漆喰をベースに、壁土を篩(フルイ)にかけながら量を加減して入れていきます。 9/29(火)。居室の中でも直接壁際に行かないところ、 吹抜けのところは、敢えて漆喰ではなく壁土仕上げにしました。 左手前は土壁風漆喰、奥3面が壁土仕上げ。 まだ塗りたてで乾いていないので、この日はかなり湿った濃い色になっていますが。 この居室内の仕上げ壁土は、ポロポロ落ちるのを少しでも防ぐため・・・、 細かい藁スサに更に白雪という麻スサも混ぜてあります。 居室内の壁土仕上げの肌☟ 一方、玄関も内外とも壁土仕上げにとお願いした☝のですが、 敢えて大きめの藁スサを混ぜ込んでザクっと塗ってもらいました。 玄関は田舎家のような素朴さを出したかったのです。 10/3(土)には、玄関の外壁にこの土を塗っていきます。 「こんなに粗い感じでええん?」 「ええ雰囲気やわぁ! お陰でこれで牛も住めるぐらい上等になりましたわ!」 左官さんたちとの談笑も弾みます。 ただし、玄関の飾りニッチのところは下地が木の無垢板なので、 薄塗りのできない壁土仕上げというわけにはいきません。 下地板に専用モルタルで下地塗りをして、居室にも使った土壁風漆喰を薄く塗りました。 丸窓の周りも同様です。 丸窓の内側の枠板にもそれを塗って、乾いてからはめ込みます。 玄関回り以外は総杉板張りの外壁ですが、 ここだけは上半分が土壁のままの仕上げです。(後から腰板を張ります。) いい家の顔になってきました! おやっ? 棟梁が玄関ポーチの大庇の柱の足元で、何やらやっています。 これについては10/4稿「屋内造作は大工の才覚・・・」の最後でも触れかけていますが、 詳細はまた後日・・・。
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最終更新日
2020年10月07日 19時02分37秒
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