191365 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

家づくり…大阪で伝統構法!:石場建て/木組み/土壁工法 ~今さら?マイホーム新築

全31件 (31件中 1-10件目)

1 2 3 4 >

伝統構法

2021年05月17日
XML
カテゴリ:伝統構法
昨日5/16には、もう梅雨入りしたんだってぇ?!
近畿地方では平年より3週間ほど早く、1951年以来統計史上最も早いんだとか。

今日も一日中結構よく降っていました。
屋外の気温は19℃台~25℃台、湿度は80%ほど。

無垢材土壁の我が家の室内は、このところずっと24~26℃台。
今日は窓を一日中すかしておいて湿度は65%台。
(我が家は雨でも、閉め切って気密を保つなんてことはしないんです。)

​で、不快指数計算サイト​によると、不快指数75弱。
ギリギリ「暑くない」範疇。

家から一歩外に出ると、モワァ~ッと汗ばむ不快感。
コンクリート造の職場はエアコンなしでは耐えられず、塗装床は結露でベットリ滑りそう。
わが家は4月以降ずっと、晴れても降っても今日も、全くエアコン要らず快適です。

ここではできるだけ数値を挙げていこうとは思っていますが、
数値に表れない「心地よさ」もあって、文章に表現するのはすごく難しい・・・
暮らしてみないと分からないであろう実感です。


ところで・・・。

これぞ石場建てたる所以(ゆえん)!
柱がただ礎石の上に立っているだけ。
当たり前といえば当たり前ですが、地面とはつながっていません。

​(ちょうど1年前2020.5.22 床が張られる前の我が家)​

いや、現在では当たり前ではなくなってしまいました。
日本では千年以上こうして建ててきたのに。
建築基準法で、基礎(地面)に緊結しないといけないことになっているからです。

地震の少ない欧米の建築哲学では地震に耐えられる強固な構造を求め、
その考え方を現行の建築基準法も受け継いでいます。
けれど揺れが限界を超えると、構造体が破断して崩れ落ちます。

一方、地震にたびたび襲われる日本では、
もちろん地震に耐えられるよう強固に木を組んで構造体にするのですが、
限界を超えると地面の揺れが家本体に直に伝わらず、エネルギーをいなして倒壊を防ぎます。

この伝統的な日本の建築哲学は現行の建築基準法に活かされていない
(石場建ては法に規定されていない)こともあり、
限界耐力計算​というビル建築で使われる複雑な構造計算をしないと建てられません。

一般の基礎に緊結されている家は、「​4号特例​」により構造計算しなくてもいいので、
大抵の家は構造計算なんか1棟1棟していないんですよね。
・・・それって、どうなんでしょう?


さて、先の写真。
まだ床も壁も窓もなかったときは、雨が降ると床下に水が入り込んでいたので心配でした。
我が棟梁は「足場などからの跳ね返りもあるから心配ない」と言ってくれていたのですが。

そこで、似たような写真の石場建ての新築を検索して、
そこを手掛けている水野設計室の水野友洋先生に質問してみると、
やっぱり「でき上ったらそんな心配はいりませんよ!」とのこと。

確かに今は、かなりの雨が降っても、床下が濡れることはありません。
仮に濡れたとしても、家が浸水しても(地形上ここは浸水しませんが)、
床下がコンクリート基礎に囲まれていないので、水が溜まることはありません。



それだけでなく、床下が何にも遮られていないので、吹き曝し。
濡れてもすぐに乾くし、
柱の元が傷んでいたら丸見えなので、すぐに気づいて補修できます。


でも、動物には心地いい空間じゃないかな?!
ウチの町内には野良猫がいるし、タヌキもイタチ(ハクビシン?)もいます。
流れ者のアライグマにメダカを食われたこともあるんです。

そこで・・・

この家の場合、​日伸建設​の棟梁が選んだのは、
ネットを張るという手法でした。
しかもそれと一見わからないように、外側から2列目の柱や束の線で囲む!

と、この稿を書こうと思っていたのは2カ月も前!
竣工から3か月ほどたった3月20日のことでした。
平日の施工で作業を見られず、それっきりになっていたのでした。


​(before:向こう側が通々で見えています)​​​

3/19(金)朝。
棟梁に「お願いします」と出勤して、日暮れに帰宅してみると、
「想定以上に手間だった!」と完成まであと一歩というところ。

そりゃぁそうです。
普通の家より床は高いものの、床下に寝転んでの作業です。

翌3/20(土)朝、続きに取り掛かって、昼前には完了。
お疲れさまでした!


(after:2列目に黒いネットが見えます。)​

棟梁は、外周で塞く手法はとりたくなかったんだそうです。
私にしてみたら、これでここにDIYや車や園芸の道具を置いておけるので、ありがたいです。
しかもここは、石場建てとしての見せ場でもありますし。


(今はここに、道具箱と園芸用具が置いてあります。ちょっと物を仮置きするにも便利!)


この動物除け(?)は、いろんな手法があります。​

私たち夫婦は石場建ての家を建てる決断をするにあたり、
石場建ての家の建築現場を2軒見学しに行きました。

その2軒目。

​梓工務店(廃業)「平成の京町家」​

他にも石場建ての新築事例を検索してみました。
各社いろいろ意匠を凝らしているのが見て取れます。
また、古民家で実際に私たちが見た事例を2~3挙げてみましょう。

わが宿場町枚方は​「鍵屋」資料館

東海道五十七次
(江戸日本橋~(京三条大橋)54伏見宿+55淀宿+56枚方宿+57守口宿~大坂高麗橋)

喜連(きれ)環濠集落の古民家

(大阪市平野区喜連)

そして、​桂離宮松琴亭

さすがにさすがです!

昔の建物は、動物除けだけでなく、忍の者除けの意味もあったのかな?
妖怪除け?・・・いや、塞いでも無駄か?!


こうして見てくると、いろいろあって面白いものです。
石場建ての新築に興味を持ったら、
足元の工夫にも目を向けてみてはいかがでしょう。

古民家カフェや伝建地区や古民家園などを訪れる際、
つい梁組みなど上を見上げてしまいますが、
足元の意匠にも目を向けてみてはいかがでしょう。






最終更新日  2021年05月18日 07時45分32秒
コメント(0) | コメントを書く


2021年05月01日
カテゴリ:伝統構法
今日5/1は、今は亡き父の誕生日。朝からお寺にお参りに行ってきました。
思い返せば4年前、私たちは、単身生活だった父が入院他界してしまった空家に仮住まいを始め、
ようやく昨年末に竣工した石場建て伝統構法の新築の家に晴れて入居できました。

この家づくりは、父が昭和の高度経済成長期に建売り2軒、注文住宅1軒と家づくりをし、
それらに私も子どもながらに関わってきた経験が生きています。

その当時は新建材が出始めた頃で、2軒目までの建売りは在来工法で竹小舞の土壁に和瓦、
最後の注文住宅は鉄骨造で石膏ボードのビニルクロスにスレート葺き。
新建材の家が近代化の象徴として誇らしかったのを覚えています。

そんな経験が生きた、いま敢えての石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家。
父が他界するのと引き換えるように建ったこの家、直に見てもらえなかったのは残念ですが、
両親からの賜物、仏縁のようにも思えます。


さて、ゴールデンウィーク初日の4/29に続き、今日も明日5/2も雨模様。
新型コロナ緊急事態宣言が5/11までのなか、
大型連休といえども家に留まらざるを得ない丁度いい諦め天気と言えるかもしれません。

お蔭さまで私たちはこの家があるので、こんな天気でも家にいて退屈しません。
かといって、もう5月! 引越しのダンボールが積み上がったまま。
入居4カ月を経て、この家は寛ぎ感があり過ぎてか、片付ける気になれないのも困ったもの。


午後3時頃までは降り出さないという天気予報。ときおり薄日の射す南側の掃出し窓。
半分は直に庭に、半分は外との中間領域としてのウッドデッキに続き、
閉めていても開けておける!障子越しに半開放感が広がります。


・・・と、この写真を見て、ん? いつの間に?と気付いてくださった方は、
このブログを何度か読んでくださっている方でしょうね。
そう、屋根が付けられている!
> 国産材としては最も水に強い木のひとつ、無垢杉の赤身を張ってはありますが、
> やっぱりウッドデッキの使い勝手から言っても覆い屋根は欲しいところ。
> ということで、明日からいよいよ(というか、ようやく)その設置工事が始まります!

4/5~6と2日間かけてできあがったんです。

(before☟)


​(after☟)​


工事初日、2階のインナーバルコニーと、その下の1階の下屋の間に、
屋根の木組みを入れていきます。


近ごろはウッドデッキやテラスのルーフは市販のアルミ部材を組むだけが主流ですが、
これは棟梁自らが工房で手刻みしてきた無垢材です。

何とウッドデッキの大引き(下地材)や柱を受ける胴差し(横架材)に、
金物や木ネジではなく、込栓で留めてあります。

そして柱同士は、斜め材ではなく、貫で留めてあります。

こんなところまで、伝統構法の本格的な木組みです!


「こんなの☟かと思ってた」と棟梁に言うと、

「家本体にここまでやったんだし、せっかくですから…」と、したり顔。
こういう心意気が嬉しい!




2日目、屋根板張り。

屋根材自体は、ありきたりではありますが、ポリカーボネートの波板。

南側に隣家が迫っていることもあり、ウッドデッキの上を覆うと暗くなる心配があったので、
空が見えるようにとお願いして、透明なものにしてもらいました。

これだと、曇り空でも明るさ確保。
晴れた日なら、デッキにに映る影はこの程度。


ポリカは丈夫な素材ではありますが、透明だときっと数年で汚れが目立ってきそう。
でもホームセンターでも手に入る物だし、比較的安価で簡単に交換できます。
メーカー独自の特殊な物をできるだけ使わないのも、メンテナンス性の向上に寄与します。


奇しくも屋根の完成した4/6夜は雨。

夜に帰宅して、干し物を入れるにも助かるなぁと実感がわきます。

翌朝はカラッと晴れて、春の朝陽に雨粒がキラキラ輝くのが、何とも美しい!


このウッドデッキ、ゆうに4畳はあるので、
そのぶん植栽の庭スペースは無くなってしまいましたが、
この屋根のお陰で半屋外の作業部屋として利用できます。


いや、表の道からは奥まっているので、
ただボーっと寛ぐにも良さそうです。



今日は降らないまでもやけに風が強く吹き荒れるなぁと思っていたら、
おっと!午後2:50頃、予報どおり降り出して、雷鳴まで。
久しぶりに暖かい季節の雨の降り方。

ウッドデッキに出て、雨を見上げてみよう。

・・・雨もまた楽し☂






最終更新日  2021年05月01日 18時19分56秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年12月26日
カテゴリ:伝統構法
一昨年3/10に​日伸建設​の社長さんから石場建ての話しが出て、
この伝統構法によるマイホームのプロジェクトが始動してから2年9か月半。
それから丸1年かけて構想・設計。

昨年3/20に伝統構法にするための​適判を申請​してから1年9か月余。
6/25に​壁土の仕込み・熟成​を始めてから1年6か月。
8/22に​建築確認​がおりて、​材木の手刻み​を始めてから1年4か月余。

11/7に​着工​(敷地整備)してから1年1か月余、
12/14に​礎石を据付け​てから1年余、
今年2/17~20の​建て方・上棟​から10か月余・・・。


12/19(土)には、家本体としては最後の手直しを経て無事竣工。
ついに今日12/26(土)、めでたく引渡しの日を迎えることができました。
(まだウッドデッキが残っていますが・・・。)

着工してからでも、近隣をざっと見まわしただけでも、十軒は竣工したかな?
そりゃあ、基礎コンを打ち始めてから4か月ほどで住み始めるのが一般的。
そんなに急いで、コンクリートの強度は大丈夫なの?

それぐらい、桁外れな労力と時間がかかっているプロジェクトでしたが、
終わらないんじゃないかと思うぐらいのプロジェクトでしたが、
いや、まだまだ続いてもいいとさえ思っていたプロジェクトでしたが・・・。

今日から我が家になりました!


思い返せば、​日伸建設​の親方・棟梁をはじめ、大工さん、左官さん・・・
ものすごくたくさんの方々にお世話になり、
こんな素晴らしい我が家が建ちました。

妻共々、ただただ感謝と感動で、胸がいっぱいです。


竣工~引渡し。どうも普通は私たちの場合とはかなり違うようです。
iemiruコラムvol.251​によると、
細部まで確認必須の「竣工検査(施主検査)」・・・というのが普通だそうです。

私たちの場合は、ほとんど毎日施工現場を見て
気付いたことはその都度棟梁と話しをしながら進めてきたため、
引渡しといっても、本鍵をもらうぐらいです。


朝イチ、引渡し会の準備に入ります。
いつものことながら、爽やかな木の香りに包まれます。

初めてエアコンとシーリングファンのスイッチを入れます。
1階と2階の2台、それぞれ環境省推奨の設定20℃。

午前中は、水道とガスの開栓。
いよいよここでの暮らしが始まるという実感が湧いてきました。

そのあと引渡しと言っても棟梁から本鍵を受け取るだけと聞いていたんですが、
これだけお世話になった日伸建設の皆さんです。
親方、棟梁、大工さん、経理の皆さんをお招きして、
お礼と労いとお祝いのささやかな昼食会を催すことにしました。

仕出しを頼んで、私が撮影した工事中の動画などを見て振り返りながら歓談。
心ばかりの引出物とご祝儀を皆さんにお渡しして2時間ほどでお開きに。
皆さんはそれからも工房や現場で作業だそうです。

あっ! 記念写真を撮るのを忘れたぁ・・・!!


午後は、住み心地のチェックを兼ねて、
リビングで妻とボ~っと過ごしてみました。

この家は朝エアコンを入れて、16℃ぐらいになってくると、
驚いたことに立って活動している分には寒さを感じません。
18℃になると、けっこう温かく感じます。

前述のようにエアコンは、
前掲の写真の1階の床置きエアコン14畳用と、
2階の小屋裏エアコン14畳用の2台だけ。


シーリングファンを回して吹抜けと階段室から暖気を攪拌し、
建坪30坪ほどを全館(約8畳の個室を除く)空調しています。

今日は寒さが緩んで3時の外気温は約11℃、湿度43%。

室内はエアコン2台とも20℃設定で、室温約20℃、湿度52%。

玄関土間と個室とトイレと風呂を除き、家中どこでもほぼ同じ体感温度。

部屋を出ると寒いっ!って感じるなんてことはありません。
今住んでいる家が築五十年の当時のペラい家なので、
こういう体感は初めて。その心地よさに驚きです。

複層ガラス樹脂アルミ複合サッシと明かり障子による気密・断熱性もあるでしょうけど、
天然乾燥無垢材と土壁のお陰で、
エアコンをかけても湿度が下がらないのが功を奏しているのかもしれません。


そして、初めてのトイレ。
トイレは北側に配していますが、窓を付けておいてつくづく良かった!
日中は電気を点ける必要が全くありません。

南に面した書斎も、カウンターデスクには陽の光が射し、明るさは十分!

こちらも日中は電気を点ける必要がありません。
眩しければ明かり障子で調節できます。

できるだけ電気に頼らないで暮らせる家。
省エネ、​サスティナブル​な(持続可能な)家づくりが、
伝統構法でも可能だということを、今日あらためて実感しました。

というより、伝統構法だからこそ!可能なのかも。


今日の最後は、初風呂。​LIXILスパージュ​。
元をただせば、前の家のユニットバスをスパージュに入れ替えようという話しが原点。
思いもよらず、石場建て伝統構法の家にスパージュという組み合わせ!

想像以上に肩湯はいい!
石場建てでも床下断熱を施してあるので、床も冷えない。
そして、ユニットバスでも脱衣場は桧風呂の香り。



こんな旅館気分の家にご縁をくださった日伸建設に、心から感謝です。
建築に携わってくださった職人のみなさん、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

生涯、世代を超えて五十年、百年、二百年・・・大事にしていきます。


翌朝追記:
夜10時ごろエアコンを切って約9時間後の翌朝7時頃、入ったら家じゅう寒くない!
室温14.8℃、湿度56%。超高気密高断熱住宅ならともかく、いい線いってるんじゃない?!






最終更新日  2020年12月27日 07時27分10秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年12月05日
カテゴリ:伝統構法
11月末(11/28~29)の​内覧会​には、たくさんの方々にご来訪いただきました。
ありがとうございました。
石場建て伝統構法ということに興味を持ってお越しくださった方が
思いのほか多く嬉しかったです。


ただ、構造内覧会ではなく完成内覧会だったので、完成してしまえばブッチャケ
伝統構法であるということは、いわばどうでもいい見えないところではあります。

筋交いではなく貫が入っていること、
塗り壁の中はボードで中空ではなく、竹小舞に壁土が詰まっていること、
構造体は金物を使わず木組み(手刻みの仕口や組手)だけで組まれていること、
材木は人工乾燥材ではなく天然乾燥材であること、
合板や新建材の類は一切使われていないこと・・・。

石場建てであることは、関心のある方は外から床下を見れば素人でも一目瞭然ですが、
促さないとわざわざ見ようという発想はないでしょう。


柱や梁を見上げても、金物がなく本物の仕口や組手が顕わになっているのですが、
そのことに気付くのは意識の高い人か玄人に限られるでしょう。


そう、この家の真価は、石場建て伝統構法にあるのは違いないのですが、
ハッキリ言ってそこは、日々の暮らしに直結しているわけではありません。
で、やはりほとんどの方の関心は、外装や内装や間取り・・・見た目!


この家、石場建て伝統構法かどうかはさておき、
どこからどう見ても「the 和」ですよね!

でも私たちは、「和」を目指したわけでも、
和室が作りたかったわけでもありません!
だから、床の間も無ければ違い棚も欄間も無い。


「和」になったのは、現代生活に求められる「用」を追求した結果。
それを、もともと日本にある素材で、もともと日本にある建て方で作った結果。

・・・「和」は、あくまでも結果論なんです。

では、どういうところから「和」を感じるのでしょう?

まず目につくのは、障子(あかりしょうじ)でしょう。

これは、明かりをとりながら窓サッシとの間に空気を挟み、断熱層となります。
そして、日本の木と日本の紙でできています。

次に目につくのは、畳でしょう。

これは、床のクッションとしての役割だけでなく、どこにでも座ったり寝たりできる機能、
2階の音を1階に伝えにくする機能や、断熱性能も高いもの。
そして日本の藺草と日本の藁(ここでは予算不足で木材チップ)でできています。

そして特徴的なのが、表しの柱と、柱に挟まれた真壁。

柱を内包してしまう大壁と違って、
材木を常に空気にさらすことで長寿命化を図るとともに、木の調湿性を最大限生かします。
また真壁は日本の土と藁と漆喰でできており、高い調湿性と蓄熱性をもっています。

何より、みなさん一様に感嘆されるのこの家の最大の見どころが、手刻みの木組み。

これぞ障子も畳も無かった時代から日本に受け継がれてきた智恵と技!
もちろん、日本(関西圏)の檜と杉がほとんどを占めます。


これらは、身体的・精神的な健康と、断熱や採光などの「用」を両立させた結果。
和室にしようと意図しなくても、それらを追及すると、
おのずと広い意味での和室のカテゴリーに収斂(シュウレン)することになったってわけなのです。

こうして作られた家が目に見える形を現わしてくると、
想い描いていた以上の美しさに驚かされることになりました。


これを用の美と言うのでしょうか。
日本人にしか作れない、日本ならではの家になりました。


これを形にしてくれた日伸建設の​親方と棟梁や大工さんたち​に、感謝!です。


家の工事は、ここのところずっと外構です。
おっと、​日伸建設​の親方がこんな古びた石を運び込んできました・・・!






最終更新日  2020年12月07日 17時35分04秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年11月16日
カテゴリ:伝統構法
構想から3年、着工から1年。今ようやく竣工が見えてきました。
いよいよ完成披露です!
 
​11/28(土)29(日)​
予約制・・・当日もお問い合わせを受け付けています。
 


石場建て伝統構法による都市型住宅。
大阪府枚方市・・・大都市近郊の住宅街での小さめの家の新築です。
 
この2日間は、広く手刻みの本物の木組みの家の魅力に触れていただくため、
一般の方限定となっています。
その他の日時、建築関係の方は、別途ご相談ください。
ほぼ年内いっぱいは応じることができます。

お申込みは直接、日伸建設までお願いします。
​〒576-0031 大阪府交野市森南3丁目5番2号
TEL:  072-892-5230/090-3261-7795
email:  ​info@to-ryou.com



施主の応対をご希望の場合は、コメント欄または​email​等でご連絡ください。
日伸建設と調整いたします。

そもそも着工件数の少ない石場建て伝統構法の家ですが、街中での新築は更に希少です。
この機会にぜひどうぞ。






最終更新日  2020年11月16日 17時58分58秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年11月12日
カテゴリ:伝統構法
石場建て伝統構法・・・
大阪・枚方、大都市近郊の住宅街での新築。
11/28(土)29(日)、いよいよ一般公開です。
完全予約制につき、​日伸建設​まで事前申し込みください。

https://www.to-ryou.com/

この2日間は、一般の方のみの公開です。
それ以外の日をご希望の方、建築関係の方は、別途お問い合わせください。



今日時点では、屋内には国産藺草畳が入りほぼ完成していますが、外構は石畳等の工事中です。




申込み・問合せ先:​日伸建設
TEL 072-892-5230(小西:090-3261-7795)
E-mail ​info@to-ryou.com
〒576-0031 大阪府交野市森南3丁目5番2号









日伸建設fb​:
​​​​
https://www.facebook.com/%E6%97%A5%E4%BC%B8%E5%BB%BA%E8%A8%AD-1377234402529606

私は、11/28(土)のみ同席できます。






最終更新日  2020年11月13日 01時25分45秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年11月09日
カテゴリ:伝統構法
今朝の石場建て伝統構法新築現場。
既に玄関ポーチに取り掛かっているのですが、
もう1週間以上も投稿が空いてしまいました。

この間、かなりいろいろ慌ただしく作業は進んでいたのですが、
私も仕事が忙しかったり夜は照明計画を練っていたりで疲れていて、
気晴らしにNetflixで大好きなStar Trekを見たりしていて、つい・・・。
2150年代、地球初のワープ5宇宙船エンタープライズ(NX-01)の時代。

Star Trekの世界での設定では第三次世界大戦の後ですが、
戦争や大災害さえなければ、伝統構法の家は、その頃には古民家。
スクラップ&ビルドを前提とした現代建築へのアンチテーゼです。


閑話休題。
11/1稿「​・・・建具職人の技と大工との協同​」の建具が入って以降のあれこれ・・・。
まず特筆すべきは、ついに!というか、ようやくというか、
11/3(火/祝)には1階正面の腰板が張られ、顔が整ったことです。

玄関まわりの土壁​を塗ったり​玄関土間の三和土​が終わってからということで
延びに延びていたのですが、大工工事も終盤に差し掛かり、
この家の本来の姿が現れたというわけです。


他の外壁は厚板で目板張りという武骨な印象の張り方なんですが、
ここ正面の腰板までそうすると凸凹ウルサイかな・・・との棟梁の考えで、
薄めの板で相(アイ)ジャクリにしてスッキリとした印象に仕上げています。


そして翌11/4(水)、雨戸も入れられました。
その雨戸は、採風雨戸。​YKK AP 通風雨戸 XRA

防犯のため雨戸を閉めて施錠していても、通気が確保できるようになっています。
もちろんルーバーを簡単に閉じることもできます。


これは、前の家でリフォームで雨戸だけ通風雨戸に交換したら、
外付けブラインドとして日除けにもなり夏場はかなり重宝したので、今回も採用。
他のメーカーにもあるので、省エネ対策としてもプチリフォームにもお勧めです。

1階の掃出し窓は1間幅全開放サッシ。
ここは木製サッシを入れたかったところですが、予算上断念。

そこで、雨戸は私の想定外の戸袋代込1.5間幅の電動シャッターに。
こういうものに電動装置は好みではないんですが、便利は便利です。
しかも希望通り通風機構付き。このスリット、開閉もできるスグレモノです。


電動シャッターの通電は、電気工事士さんの仕事。
そして電気工事士さん、この間にエアコンも設置してくれました。

あまり大きな声で言いたくないんですが、
当初はこの電気工事士さんに納入をお願いしてみたものの見積書を見て断念。
本体のみ施主支給にして、設置工事だけお願いすることにしました。

電気工事業者にエアコンの納入を依頼すると、住宅設備用の機種になるので、
仕入れ値がかなり高くて市販店にはかなわないそうで、
快く構わないとは言ってくださったものの、ごめんなさい。

この家にはエアコンが全館で3台。

1階に、全館暖房用および1階補助冷房用の床置きエアコン1台。


2階小屋裏に、全館冷房用および2階補助暖房用の壁掛けエアコン1台。

これ、当初は業務用の天吊りエアコンにしようと思っていたのですが、
この電気工事士さんのアイデアで、家庭用の普通の壁掛け型を採用。
エアコンの耐用年数は10年強なので、一般家庭用の方が経済的!・・・なるほど。

そして、ほぼ完全個室になる1部屋だけ、小さなエアコンを補助的に設置してみました。
布団干し場兼用エアコン室外機置場。ギリギリの幅しかなく。設置は大変な苦労です。

この部屋は天井がなく小屋裏が通々なんで必要性がよく分からないんですが、
やはり出入口の戸を閉め切ったら必要かも?・・・と。

最近の高気密高断熱住宅は、
床下&小屋裏エアコンの2台だけで全館冷暖房システムを組むのが普及し始めていますが、
さて、伝統構法の家でエアコン2+1台でうまくいくかどうか・・・。


10/4(水)いよいよ完了検査。
か…完了ですよ! って、まだ完全に仕上がったわけではないんですが、
大工工事がほとんど終わって家としての体裁が整ったということです。

完了検査とは、建築確認申請どおりに建築物等が適法に建築されているかどうかを
最終的にチェックするもので、建築基準法に規定されています。

建築主事または所在地を業務区分としている指定確認検査機関の完了検査を受け、
合格となった場合は検査済証が交付されます。
交付を受けていない建築物は、原則として使用することができないというものです。

で、もちろん検査は合格・・・
・・・と言いたいところ、1点だけ指摘を受けたと棟梁から連絡がありました。
なんと、1階に吸気口を設置せよというのです。

確かに1階は特殊なサッシを使っているので、サッシ本体に吸気スリットがありません。
なので、換気扇を回すと、吸気できないという理屈になるんだそうです。
だから、開閉式の吸気ユニットを外壁に穴を開けて付けなければならないと・・・。

ちょっと、おかしくない?! 私は思わず棟梁に詰め寄りました。
私はその吸気のために、階段下にわざわざ無くても良さそうな小窓をお願いしたんです。


設置しなければならない吸気ユニットは閉じることができる?
ほんなら、開けることができる小窓ではなんでアカンの?!

階段下は居室じゃないし、窓は吸気装置ではないという理屈。
本当に意味が分かりません。換気は窓を開ければ済むことです。
この家は、構想段階から卓越風も勘案しながら通気計画はかなり練ったのに。

新建材の化学物質が充満する高気密住宅を想定した法の規定。
機械的に吸排気しないとまともな暮らしが担保されない現代の工法。
本当にどうかしてる!と思いました。

とはいえ、棟梁が検査官や法に逆らっても埒があきません。
11/5~6と別の新築の建て前・上棟の応援に行かなければいけない忙しいなか、
11/8には日曜というのに、明日の証拠写真の提出に間に合わさないと…と、設置作業です。
この家は外壁の内部は、竹小舞を土台に壁土がぎっしり詰まっています。
ベニヤや石膏ボードとサイディングの中空の外壁に穴を開けるように簡単にはいきません。

壁の外側も目板を打ってあって凸凹なんで換気フードの部材が簡単には付けられず、
鑿で目板を少し削って細工します・・・こんなん、大工なら誰でもというわけにはいきません。

訳の分からない法の規定のせいで、余計なひと手間をかけさせられ、
味わいのある漆喰壁に似つかわしくないプラの吸気口が・・・。
棟梁はしきりに謝りますが、棟梁が悪いわけではありません!

ま、それでもこれで、私は納得いかなくても、法的には納得です。
最後の最後に付いた理不尽なケチ。検査官が悪いわけでもない・・・それが仕事。

竣工を目前に、近年の新建材・化学物質まみれの住宅建築の矛盾を、
あらためて強く感じさせらた先週でした。


ま、そんなことはともかく、先週は洗い屋さんが何度か入って、
畳や障子が入る前に室内を隅々まできれいに清掃してくれて、
工事現場然としていたところがすっかり住まいらしくなってきました。


床から柱から天井まで、木という木を拭きあげていきます。
水を固く絞った雑巾でかな?と思って聞いてみたら、専用の薬剤を少し混ぜているとのこと。

というのも、この工程をきちんとしておかないと、
1か月~数か月でこれまでの手形などがどんどん浮き出てきて、
大変なことになるんだそうです。

よくある古民家の天井に浮き出た手形、あれ、幽霊でもなんでもなく、手垢、脂だそうです。
それを防ぐためのこの洗い、無垢材を使い慣れない工務店はそのことを知ってか知らずか、
この工程をせずに施主に引き渡すってとこも結構あるんだとか。

で、一口に洗い屋さんといっても、​日伸建設​のような無垢材表しの家の洗いは
誰でもできるもんじゃないそうです。
洗い屋さんとしても、いつも日伸の家はやり甲斐があるけど、
ここまでの家はなかなかないな!とのこと。棟梁の頑張りのお陰です。

日曜日、吸気口のあとも遅くまで・・・と見ると、
棟梁、2階の洗面台の横に棚を付けてくれていました。
よく見ると、杉ではなさそう・・・メッチャいい木ちゃう?


ここは納戸的なスペースでそんなに目につくところではないんですが、
小屋裏エアコンの配管に配慮して、そして横のポップなタイルに合うようにと、
レッドオークを選んでくれていたのです!

いやいや、本当に棟梁の頑張りと気配りには頭が下がります。
そんな屋内の大工造作も、ほぼお終いというところまで来ました。

さて、今週。
今日も玄関ポーチの工事は着々と進み、
明日はいよいよ畳が入ります!

***********************

追記:やむを得ず追加設置させられた1階書斎の吸気ユニット、
   撤去して穴を塞ぎ、何とか元の姿を取り戻しました。

   石場建てを手掛ける愛媛の​野の草設計室​さんがこの記事を目にして、
   この家が24時間換気設備設置義務の特例に該当するのでは?とお知らせくださり、
   棟梁が調べ直したところ不要ということが分かったのです。

   貴重な情報提供、ありがとうございました。

click☞ ​2021.1.3稿「24時間換気設備なんていらない!・・・」






最終更新日  2021年01月03日 09時37分16秒
コメント(1) | コメントを書く
2020年10月01日
カテゴリ:伝統構法
夜中の大雨が嘘のように上がり、爽やかな秋晴れの今日。
それにしても棟梁、着工以来これまで、かなりの晴れ男!
・・・という今日は、足場が撤去されました。


足場が組まれたのが​2/14​、建て方が始まったのが​2/17​、上棟が​2/19​。
あれから早7カ月半!
長かったようなアッと言う間のような、待ちに待った日。

大都市近郊の住宅密集地で、足場だけでなく防塵幕で完全に覆われていたので、
幕の内側の至近距離から見てはいても、
棟梁でさえ全貌を見たことは無かったのです。


朝7時半ごろから幕が外され始めました。
もうこの角度から見ることはできなくなります。

半年以上見慣れた視点、
揺れる足場の上を歩く毎日、楽しかった!・・・寂しくなります。

このあとは私は出勤していて見られません。
11時過ぎには「無事、解体完了!」のSNS。
足場職人さん、危険な作業、お疲れさまでした。この場を借りて・・・。
長い間貸していただき、ありがとうございました。

職場を定時に飛び出して現場に駆けつけてみると、
すごい!!!



ただただ、見惚れるばかり・・・。
棟梁「思っていたように出来上がっていて、ホッとしました!」



隣家が迫っているので、全体像を撮影することができませんが・・・。







板金屋さんも来てくれたようです。
雨樋が付けられたのは​9/1​のことですが、縦樋がまだだったので、
足場が外されたことで今日になりました。
ガルバ鋼板ですが、銅色が渋くいい感じです。








それと、洗い屋さんが、外壁に洗いをかけてくれたそうです。
一般的な新築家屋の引き渡し時に入るハウスクリーニング屋さんではありません。
古民家なども洗いをかけることのできる特殊な技能を持った洗い職人さん。

いろんな職人さんの協同で、この家は(どの家も)つくられていきます。
建てるだけではない、作るだけではない職人さんも関わっている・・・。
ありがたいことです。



そして、手がけている家の出来上がりを想い描きながら、
それら各種の職人さんたちを調整し束ねている棟梁は、すごい!

棟梁「1階正面は、上半分を土壁真壁にしといて良かった。」と。
1~2階を通しで初めて見て、まったく同感です。



ここは今は中込塗り(荒壁の上、中塗りの下地)ですが、
最終的には荒壁のような風合いで上塗り仕上げをしようかな・・・と、
棟梁と一緒に眺めながら話し合いました。
(壁土が終わってから、腰板を張るそうです。)

この家は、今は赤杉色ですが、十年もすれば渋く落ち着いた色に変わっていきます。
古びてくるのが楽しみ!と言えるのも、この家ならではの値打ちだと思っています。


石場建ての石場建てたる所以! 床下に潜れます・・・


夏の西陽のリスクを承知で、日射遮蔽も考慮に入れながら、
西に向けて大きく出窓を設置したのは、この夕焼けを見るため・・・。

今日は中秋の名月。
満月が西に来るのはかなり遅い時間ですが、三日月ならよく見えるかな。

来週からは、タイル屋さんが入ってきたり、
内部造作も大詰めを迎えてくるようです。

今日ようやく全体像が見えたものの、まだ大工造作は収納棚なども残っているし、
住設も建具も畳も、水道・電気・ガスも、玄関の三和土も・・・、そして外構も。
竣工まであと2か月ぐらいはかかるでしょうか・・・。

これからも​日伸建設​の石場建て、目が離せません。






最終更新日  2020年10月01日 23時31分21秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年09月13日
カテゴリ:伝統構法
今日の内容は、9/10(木)~12(土)までの、外壁の進捗状況を。

無垢杉の外壁羽目板は2階の一角を残すのみというところでしたが、
翌日9/10(木)には全周張り終えました。


8/25(火)に外壁材を張り始めて​から、実に15日目(日曜を除く)のこと!
この間は夕立が多くたびたび作業中断を余儀なくされたとはいえ、
「大変な作業と分かってたとは言え、ここまで大変だとは・・・!」と棟梁。

屋内と家の前に山のように積んであった羽目板、
残ったのはたった2枚!
棟梁の想定では10枚近く残るだろうとのことだったのですが、
さすが無駄を出さない完璧な読みです。

あとまだ、羽目板の継ぎ目に目板を打ち付ける作業が残っています。

これもいろいろな長さに割り振らないといけないので、
簡単そうに見えてかなりの手間です。

それでも週末の時点では残っている裏側(西面)を鋭意進行中とはいえ
8割方できたというところでしょうか。
でき上った表側は美しく仕上がっています。


ところでこの外壁、ウチの場合は、
竹小舞/土壁+透湿防水シート+胴縁/通気層+赤身杉無垢厚板という構造になっています。
この構造自体は、伝統構法とはいえ、基本的に現代の外壁の構造に準じています。

とはいえ、ここでウチの外壁における温熱環境性能は、独特です。
現代の工法では一般的に、壁体内に断熱材を詰め込むのですが、
この家は土壁なので、断熱材を詰める空間はなく、土が詰まっています。

そこで、断熱材を使っていない分、
土壁の蓄熱性と杉無垢板の断熱性が、温熱環境の性能を代償するという考え方です。

まず、冬場。
土は断熱性能はさほどありませんが、熱容量が大きく、
その蓄熱性の高さが室内の暖気を溜め込む役割を担い、
外装の無垢杉厚板(30mm)が土壁の蓄熱と低い外気温とを隔てます。

そして、夏場。
高い外気温や日光の直射熱は、外装の無垢杉厚板と空気層によって室内側の土壁と隔てられ、
土壁の蓄熱性により冷房のヒヤっと感を溜め込みます。

窓周りなど竹小舞/荒土壁の入ってない部分は、
無垢杉厚板+杉皮再生断熱材フォレストボード+木摺+土壁になっています。

数値的なことを言うと、
杉の熱伝導率は​0.087W/(m・k)​だそうですので、
無垢杉30mm厚の熱伝達抵抗は0.03÷0.087=0.3448㎡h℃/kcalになります。

グラスウール16Kの熱伝導率は0.045W/(m・k)だそうですので、
50mm厚の熱伝達抵抗は0.05÷0.045=1.1111㎡h℃/kcal

因みに​フォレストボード​の熱伝導率は0.046W/(m・k)ですが、
熱容量が320KJ/(㎥・K)と比較的高めという特性があります。(断熱材は大抵2桁。)

土壁の土壁の熱伝導率は0.62〜0.69W/(m・k)と高くないですが、
熱容量は1100KJ/(㎥・K)

*断熱性:熱伝導率(W/(m・k))
コンクリート1.6 < 土壁0.69 < 天然木材0.1前後 < 断熱材0.4前後(小さい方が断熱性が高い)
*蓄熱性:容積比熱(KJ/(㎥・K))
天然木材520 < 土壁1100 < コンクリート2000(大きい方が蓄熱性が高い)



数字に弱い私にはよく分からない議論ですが、
現代の一般的な工法と比べても十分な性能が確保できているように思います。
土壁に断熱材を組み合わせている施工例も見受けられますが、
真冬で氷点下になることはまずない大阪あたりなら、この仕様で大丈夫そうです。

数値に興味のある方は、検索するといっぱい出てきます。便利な世の中です。
「​日本の土壁は断熱化とどう向き合うか​」宇野勇治(愛知産業大学准教授)も興味深いので、
ぜひ参照してみてください。

ところで、その現代の工法を取り入れた部分として、
透湿防水シートの採用があります。

この図で言うと、内装材は中塗り土壁/漆喰、壁体内部は竹小舞・荒土壁、
これが抜群の調湿性能を発揮します。
外壁は杉無垢厚板、
そして透湿防水シートが​デュポン™タイベック®​です。

この透湿防水シートは、雨に弱い土壁を守るものです。
といっても、杉の外装材で覆われているので、透湿防水シートがなくても
直に雨がかかるわけではありません。

なので、無くてもいいのかもしれません。
耐用年数も仮に50年としても、家そのものの耐用年数に遠く及びません。
現に日本では古来から、土壁に焼杉板だけで何百年もやってきました。


それでも透湿防水シートを使うことで、
初期の耐久性を延ばすことができるという意味が期待できます。
どうせ使うなら性能の高いものをということで、採用されたのがタイベックが。


日本のメーカーも同様の製品を出していますが、
30年相当の耐久性試験が行われ、20年保証というのは、タイベックが業界随一だそうです。
棟梁によると、他メーカーのは手で裂くことができるけど、タイベックは裂けないらしいです。

そのぶん価格は張るようです。
あるブログの記事によると、他メーカーの営業マンは、
工務店の名前を印刷してもタイベックより安いと言って売り込みに来るんだとか。

建築中しばらくの間は透湿防水シートで家全体が覆われているので、宣伝効果はありそうです。
でも、そんなことより性能第一の​日伸建設​​。
家の原価は上がってもタイベックと決めているんだそうです。

どうせ後々見えなくなる部分にも手を抜かない・・・、
そんなところも工務店選びの観点です。

その​​日伸建設​の仕事ぶりを見に、9/12(土)には大阪・堺市から見学の方が来られました。
聞けば、私のブログを見て興味を持ってくださったそうで、ありがとうございます!
来月にも、また見に来たいとおっしゃってくださいました。
そのころには足場が外されて、外観の全貌が見えているはずです。

新型コロナウィルス禍のため​日伸建設​としては現場見学会の開催は控えているけれど、
個別の見学はいつでも受け入れているそうです。
石場建て伝統構法の建築現場は全国でも多分1年に十棟に満たないので、貴重なチャンスです。
この機会に、ぜひどうぞ。






最終更新日  2020年09月20日 22時40分12秒
コメント(0) | コメントを書く
2020年07月07日
カテゴリ:伝統構法
昨日7/6から降り続く豪雨。特に九州では、大変なことになってしまいました。
被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。

一昨年2018/6/28~7/8の西日本豪雨による災害といい、
こんな気象は以前ではちょっと考えられませんでした。
そもそも「線状降水帯」なんて言葉は十年前には聞かれなかったように思います。

豪雨による災害といえば、
河川の氾濫や浸水害、土砂災害が挙げられるでしょう。

さて、石場建て伝統構法の家。
耐震性の優位性はよく言われることですが、
水害についてはどうなのか・・・。
礎石の上に載っている木の家・・・ということは、プカプカ浮いて流れるのかな?

で、「石場建て 水害」で、ちょっと検索してみました。
すると目についたのは、
伝統構法の石場建て300年住宅を標榜する工務店「​東風(こち)​」の記事。
​​​​> 一般的住宅は、基礎にコンクリートの立ち上がりのせいで、
> 大水害時の床下浸水では泥のたまる量が多く、除去作業も困難になる。
> 東風の家は泥のたまる量が少なく、横に掻き出すだけで復旧ができる。

なるほど、そういう観点があったのかと、あらためて感心させられました。
検索には「​建物修復支援ネットワーク​」という伝統構法にも言及するサイトも挙がってきて、
「​浸水被害​」や「​水害被災建物の対処法​」のカテゴリーの記事を見ると、
床下に入り込んだ泥の処理が水害では大きな問題になるようです。

そういえば、前に住んでいた建売りの家はベタ基礎だったんですが、
床下の風呂の給水管が破損してベタ基礎ですから床下がプールになってしまい、
排水に往生したことを思い出しました。
近年一般的なベタ基礎は、いったん水が入り込んだらアウトというリスクがあります。

さすがに石場建ての家が水害でプカプカ浮いて流れた事例は見あたりませんでしたが、
2011/3/11東日本大震災の津波で地面(基礎)に緊結されていた家が流されていましたから、
水の力の前には石場建てもコンクリート基礎も大差ないのかもしれません。

もう一つの豪雨による災害、土砂崩れ。
ウチは淀川と支流の天野川の河岸段丘崖の傾斜地(雛壇造成地)に位置しますから、
枚方市防災マップ​を見ても浸水のリスクはまずありませんが、
一方で逆に町内には​土砂災害警戒区域​があります。

幸いウチの周囲はそれにかかっていませんが、
これまでの私のブログの写真を見ると、急傾斜地が写っているのが分かると思います。

土砂崩れに遭ってしまったら、圧し潰される力に耐えるには、
構造材が太く丈夫な伝統構法は有利と言えるでしょう。
一般に在来工法の家は柱は「太くて」せいぜい4寸(12cm)角ですが、
伝統構法だと4寸角は「細くて」の部類ですから。

ただし石場建てだと、土砂に押されたら礎石からは落ちるかもしれませんが。
一方、基礎コンクリートに緊結してあれば、根元から折れるしかありません。

いま、大災害頻発の時代に入ってきたような実感があります。
家づくりはもう、そのリスクに備えるという視点が必須です。
豪雨災害という観点からも石場建て伝統構法は、
選択肢の一つに十分なり得ると言えるでしょう。



地震、火災、水害、風害等に対してうまく防御する技術がない時代、
それらを受け流すという哲学と技術で生き延びてきた昔の人たち。

その先人の英知を受け継ぐ文字どおり「​気候風土適応住宅​」の枠組みの中で、
伝統構法は伝統を受け継ぎながらこれからもさらに発展していくことでしょう。

そして究極・極論を言えば、
伝統構法の家は土砂に埋まり津波に流されても、ゴミにならず地球に還っていきます。

今日は七夕。
ウチの近くを流れる川は天野川。枚方と隣りの交野は、​七夕伝説発祥の地​です。
枚方に牽牛石、交野に機物神社、天野川には鵲橋・天津橋・逢合橋がかかります。

​(枚方のゆるキャラ「ひこぼしくん」と交野の「おりひめちゃん」)​



歴史に学ぶ減災の知恵 建築・町並みはこうして生き延びてきた [ 大窪健之 ]






最終更新日  2020年07月08日 18時39分08秒
コメント(0) | コメントを書く

全31件 (31件中 1-10件目)

1 2 3 4 >

PR


© Rakuten Group, Inc.