削ろう会全国大会㊗優勝 … 我が棟梁! ~ 伝統の大工技能を磨く
昨日今日(11/13㊏14㊐)は、削ろう会第36回全国大会。昨年京都・亀岡で開催される予定がコロナ禍で延期になっていたもの。第37回愛知・西尾大会(7/24㊏25㊐)より後になっていました。「削ろう会」とは、極限まで薄い鉋屑を出すことをとおして、手道具や伝統技術の可能性を追求する会。大工や木工関係の職人のほか工具を作る鍛冶などが集まって、競い、楽しみながら交流をする会なんだそうです。毎回出場している我が日伸建設の大工さんたち。西尾大会では、若手の二宮くんが一般の部で史上最年少で優勝!!わが棟梁の田中さんは五寸鉋の部で3位!・・・さて、今回は?ということで、亀岡は枚方から車で1時間と近いこともあり、初めて削ろう会を見に妻と行ってきました。会場の亀岡運動公園体育館の入口前では、丸太ハツリの実演。コーンコーンと心地いい音と斧を振り下ろす迫力に、ワクワク感が高まります。会場に入ると、わりとすぐに我が棟梁のブースを発見。我が石場建て伝統構法の家を建ててくださった日伸建設に関わる大工さんや建具職人さんたちが「大阪の人」というグループ名で削っていました。二宮くんが削ります。先輩の田中さんにじっと見られていて、手が震えないのはサスガです。こうして一定の長さをもって、μ(ミクロン)で測ります。薄過ぎて空気になびくだけで裂けそうですが、裂けてたらアウト。永六輔氏が「削り華」と呼んだ、まさにその名にふさわしいもの。自分で納得のいくまで鉋を引き、納得の鉋屑ができたら計測場へ。3回まで公式に計測してもらうことができ、それが記録とされます。我が田中棟梁も、我が家の建具を手掛けてくれた職人さんと息を合わせて、す~っと鉋を滑らせていきます。・・・削っているというより、力もなく滑らせる感じ。田中棟梁の1回目の記録。わぁ、3μ(3.6.6)を出してる!他の人(8.7.8とか11.10.8とか)の半分に近い。何度も何度も鉋がけをしてみて、いけたかな?と思ったら自分で測ってみます。・・・う~ん、まだまだ!この大会、全国大会ですから、大工さんたちは家族づれで来ているようです。私たちのような素人が来ても、いろいろ楽しめます。五寸鉋なんて、初めて見ました。残念ながら実演は見損ねましたが・・・。槍鉋の体験コーナーもあります。なんと、誰でも使わせてもらえます。京都産の材木利用促進のブースもあるし、大工道具や亀岡の名産品や軽食の屋台など、いろんな出店もあります。併設の会場では、「木育キャラバン」が開催されていて、木のおもちゃがいっぱい!子どもたちが大勢遊んでいます。できるだけプラスチックじゃなくて、無垢の木に親しんでほしいものです。これは、フランス産の松(スプルース)製。何千個も積んで遊びます。そしてこの面白さは、実は崩すことにあるそうで、この木で作ってあることで、いい音が鳴るんだそうです。子ども3人で1本ずつ抜くと、カラカラカラ・・・と気持ちよく崩れていきました。さて、私たちは午後からは、亀岡の向こうの園部に孫に会いに行ったので、結果発表はお預け。・・・う~ん、気がかりです。夕方、インスタグラムやフェイスブックなどSNSで、結果が伝わってきました・・・おっ! 真ん中で表彰されているのは、我が棟梁?!何と今回は、一般の部で優勝!!!やったぁ~! おめでとうございます。こんな棟梁と仲間の皆さんに我が家を建てていただいて、本当に誇らしく思います。家を建てるのに、現実的にはこんなに薄く鉋をかけられる必要はないでしょう。実際、大手住宅メーカーの下請け大工さんは、鉋をかける場面がまずありません。伝統的工法、手刻みの大工や棟梁でも、鉋かけは仕事の一部でしかありません。そういう意味では、・・・だから、どやねん?!の世界です。でも、こうして日々研鑽し、それを楽しんでいる。こうして全国の同業・関係の人たちと交流し、情報交換している。大会の成績じゃない、そういう日ごろからの取り組みが、明日の伝統の技を支え、伝えていくんだと思います。今日はお陰で、いい日になりました。